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特集 テーマ  上野原の市民は何を目指すべきか
 研究提案 その5 『ウエノハラ 光社会 の創造と未知との遭遇』
  第35講 『私の上野原ユビキタス生活』F『上野原インフォメーションの意味とその役割』 その3
  第34講 『私の上野原ユビキタス生活』E『上野原インフォメーションの意味とその役割』 その2
  第33講 『私の上野原ユビキタス生活』D『上野原インフォメーションの意味とその役割』 その1
  第32講 『私の上野原ユビキタス生活』C『オークションのはじめから終わりまで』
  第31講 『私の上野原ユビキタス生活』B『オークションとゲーム オブ ライフの興奮』
  第30講 『私の上野原ユビキタス生活』A
        
『出かける前に『路線』でJRと私鉄の時刻と乗り継ぎを調べた上、場所を『地図』で確認する』
  第29講 『私の上野原ユビキタス生活』@『リアルタイムで見るニュースとその価値』
  第28講 『エンピツよさようなら・キーボードよこんにちは』
  第27講 『コミュニケーションが変わって来る』
  第26講 『光社会』の是か否かを決める判断基準
  第25講 『YOUTH』を学んで『光社会』を迎えよう





ウエノハラ 光社会 の創造と未知との遭遇』 その11


第35講 『私の上野原ユビキタス生活』F −『上野原インフォメーションの意味とその役割』 その3


 新聞の情報は『活字情報』・上野原インフォメーションの情報は『電子情報』

 電子情報化されている上野原インフォメーションの情報が活字情報の新聞情報に比べるとどれほど『使い勝手がよいか』、『使われ勝手がよいか』についてここでは書いてみたいと思います。情報の内容の比較・評価については改めて書くことにします。

 『活字情報』と『電子情報』の違いは文字が紙の上に書かれるか、フロッピーディスクやPCのハードディスクなどいわゆる電子媒体に書かれるかの違いで、書く時の『書き勝手』の違いもさることながら、書いた文章を保存したり、保存された文章を取り出したり、文章を送ったりする時の『使い勝手』・『使われ勝手』に大きな相違が現れます。『書いた文章の使い勝手』・『使われ勝手』が『活字情報』と『電子情報』とでは格段に違うということだと私は思っています。

 『書いた文章の使い勝手』について言えば、電子情報はプリンターで印刷しなければPCを使っていない人に読んでもらえない点は致命的な欠点で、PCとプリンターの接続が結構面倒ですから折角書いた文章がすぐに印刷できないで困ってしまうことが一度ならず発生しますが、字の大きさ・形・色・アンダーラインなどを自分で決めることが出来るなど便利なことがいろいろあります。

 電子情報として書かれた文章を保存しておきたいと考える時『コンピューターは無限に大きいスクラップブックのようなものだ』と私は思っているのですが、無限に保存できるだけでなく、文字と写真や図柄さらには音声と同時に保存できる点は活字情報にはない全く異なった新しい『複合的保存方法』といえるでしょう。

 活字情報であれ電子情報であれ、文字は文学の領域から科学・宗教の領域まで、今までになかった新しい事柄を表現できるすばらしい表現手法ですが、文字ではどうしても表現できない事柄があります。音楽と絵画がそれに当たると私は思っていますが、文字で表現できない音楽と絵画が同時に保存出来る便利さはこれからますます重宝されることになるでしょう。

 保存してある文章を取り出して読みたいたいと考える時の『使われ勝手』も電子情報の便利さは活字情報と比べようもありません。活字情報は本やスクラップブックの形で保存されますが、電子情報はコンピューターの中に入っていますので、本棚や書庫に入って必要な文章を探す手間・暇はかかりません。ただ、保存された電子情報は保存媒体が破損すると読み取れなくなりますが、年月がたっても色褪せすることはありません。保存に大きな場所が必要ということはありませんので、必ず2ヵ所、例えばPCのハードディスクとCDやUSBスティックに保存しておくことが絶対に必要です。私が大学に来たころワープロを使っていましたが、あるときフロッピーディスクが読み取れなくなりました。棡原から青梅に出て、東芝の青梅工場でとくにお願いして修復してもらって1件事なきを得ましたが、2ヵ所に保存しておくことによってこのようなピンチを予防しなければなりません。閑話休題。

 書いた文章を誰かに送りたいと考える時、電子情報はそのまま電子メールで送信できますから、郵便で送る場合に比べてその速さと手間暇の少なさは比較になりません。これもPCを使っている人との間でだけ可能になる事柄ですが、便利なものごとは必ず広がりますから、この便利さは上野原市の光ファイバー事業が進んで、インターネットの利用者がふえるに伴って、年を追って大きくなって来る筈です。

 15年前に私が上野原に着任した頃、卒論論文に必要な文献調査はすべて図書・雑誌・資料などの活字情報に頼っていましたから問題はなかったのですが、インターネットが一般化して、図書館に行かなくても、否、図書館に行くよりもっと効率よく、もっと詳しい情報が得られるようになってくると、学生諸君でなくても、人間は少しでも少ない努力で最大の効果を得ようとしますので、インターネットから文章をコピーして、レポートに貼り付けたり、引用したりすることが出来るようになりました。私は書籍や新聞雑誌を調べて未知のものごとを調査する必要性を盾にとって当初はこれを認めませんでしたが、この方がより詳しく、正確に学べるというので、情報とデータの出所を明確にすることを条件に、インターネット情報の引用を認めることにしました。これなどは電子媒体情報の『使い勝手・使われ勝手』が既存のものの見方、考え方を変えさせてしまう力を持っているということです。

 新聞の情報は『有料』・上野原インフォメーションの情報は『無料』

 新聞を読もうとすると購読料が必要ですが、上野原インフォメーションの情報を読んでも購読料はかかりません。私が見ているポータルサイトのYahoo!も無料ですが、広告料が入るから無料なのだと思っています。上野原インフォメーションを見ても料金はかかりませんが、これは広告が出ているからではなく、上野原インフォメーションがNPO(ノンプロフィットオーガニゼーション)だから無料なのだと私は理解しています。

 NPOが上野原インフォメーションのポータルサイト(インターネットの入り口)を作る場合、電気料金その他もろもろの経費が無料というわけではありません。電気代からPCの費用その他すべての経費がボランティアによって運営されているからです。相当大きな記憶容量を持ったPCが必要と思えるのですが、上野原インフォメーションのポータルサイトはインターネットの上にあるYahoo!の巨大なPCに間借りして作られているということでしょう。

 新聞の『読者はナショナル』・上野原インフォメーションの『読者はローカル&グローバル』

 全国紙の読者は一般にほとんどが日本で、海外で読まれるのは特殊な場合に限られます。山梨日日新聞の場合はその読者は一般にほとんどが山梨県の居住者で、東京・大阪・名古屋などで読まれるのは特殊な場合に限られます。

 これに対して上野原インフォメーションの情報は徹頭徹尾上野原の人々を念頭において情報が作られ、掲載されています。当然上野原地域でPCをインターネットに繋いである人々によって読まれることを想定していますが、PCをインターネットに繋ぎさえすれば東京だけでなく世界の人々によって読まれます。

 その読まれ方が『広く、浅く』ではなく、『1点集中で深く』という読まれ方が可能なところが上野原インフォメーションの情報の持つ新聞には不可能な領域と言えるでしょう。『上野原市の情報基盤整備事業の意味とその役割』について関心を持っている人々が新聞の活字情報で必要な情報を得るのはほとんど不可能ですが、インターネットで上野原インフォメーションを検索すれば、すぐさま上野原市の状況が深く、かつ、過去に掲載された内容にまで遡って読むことが出来るということなのです。

 上野原インフォメーションの『読者は徹頭徹尾ローカルであり、同時に1点ピンポイント的にグローバル』で『データベース情報』として読むことが出来るわけです。
(つづく)TN


2007−12−23   谷口ウエノハラ研究室  谷口 文朗TN





ウエノハラ 光社会 の創造と未知との遭遇』 その10


第34講 『私の上野原ユビキタス生活』E −『上野原インフォメーションの意味とその役割』 その2


 新聞の情報は『クローズドエンド』・上野原インフォメーションの情報は『オープンエンド』

 これは記事の内容に関することではありませんが、編集する立場に立つとその違いの大きさが分ります。私がここで『クローズドエンド』という言葉で表現したいのは『新聞の紙面でぽっかりと白紙の部分が出ることは許されない』ということです。このことは少し記事が長すぎると、何とかして記事を限られたスペースの中に押し込んでしまわなければならないことを意味します。

 このことは新聞に限らず、上野原市の広報などすべての活字メディアに当てはまることです。紙には裏と表がありますから偶数ページでなければなりません。私は帝京科学大学で『TUST ニューズレター』の編集に携わっていましたから、編集する立場で『クローズドエンド』が大変厄介な要素であることを痛感していました。編集業務は全てPC画面で行なっていましたから、所定のページが少し寸足らずになったり、少しはみ出したりした時は写真や表の大きさを微調整して全体がうまくおさまるように按配していました。

 このような経験をしていましたから、小泉前総理が施政方針演説で『インターネットで配信するニューズレターを発行する』と宣言して、その創刊号がPC画面に届いた時に、インターネットの活字メディアは『オープンエンドで編集が楽だな』と思った次第です。活字メディアで奇数ページの中ほどで終わるような場合でも、全くニューズレターの体裁に関係ないわけですから・・・・・。


 上野原インフォメーションのPC画面も同じで、縦方向の全体の長さはページ数の制約を受けていません。それどころか『リンク』という手法を使って、画面に入りきらない新しい原稿をまずスクラップブック(データーベース)に入れて、画面からそれを呼び出すという手品のようなことが出来ているのです。前回『上野原インフォメーションはフロー&ストック』と書いたのはこのことを意味しています。

 新聞の情報は『デスクによる編集情報』・上野原インフォメーションの情報は『提供者からのそのまんま情報』

 公序良俗に反する記事が掲載されないのは新聞の場合も上野原インフォメーションの場合もなんら異なるところはありませんが、新聞の情報は記者が取材して作成した原稿を編集局で編集した記事が、場合によっては追加取材によって内容が補充された記事が掲載されますが、上野原インフォメーションの場合は投稿原稿がそのまま掲載されます。そのまま掲載されることは誤字脱字があったりする場合投稿者にとって困ったことになりますが、訂正をお願いすることが出来ますから、新聞とは違うメリットがあると言えるでしょう。

 新聞の場合、校正に目を光らせていますがそれでもなお誤字脱字が発生することがあります。その場合、その部分の活字を削り取って急場を凌いでいます。

 私はこれまで何回か取材を受けて、記者が作成した紙面を見たことがありますが、言いたかったことが十分伝わらないと感じることがありました。貴重な紙面をぎりぎり一杯まで使って書いてくれるのですから、贅沢な悩みと言うべきでしょうが・・・・・。

 これに対して上野原インフォメーションの場合は『己の欲するところに従いて己の則を越えず』という立場で、発信したいと考えるメッセージを一番伝わりやすいと自分が考える方法(文章のスタイル・言葉づかい・漢字と仮名の使い分け・見出し・活字の形・大きさ・強調・アンダーライン・色など)で発信できるところがすばらしいと思います。

 文章のスタイルや言葉づかいなど世代によって違いますから、世代の感覚が直接伝わるのも面白いところです。何よりも編集というフィルターを通らない個性丸出しの文章が掲載されるところが面白いと思っています。

 新聞の情報は『salaried man=サラリーマン記者が集めた情報』・上野原インフォメーションの情報は『独立不羈のご本人からのオリジナル情報』

 私は『サラリーマン』を英語で『salary man』と書くと思っていた時がありました。これは誤りで、『salaried man』と書くのが正解です。辞書によりますと『1月を超える期間を区切って支払われるサービスに対する所定の金額』という説明の後に『炭鉱夫はwage-earners(賃金を得る人)、先生はsalaried man』と例示されています。炭鉱夫は賃金を得る人という能動形で、先生はサラリーを支払われる人という受身形で書かれているところが『意味あり』と私は思っています。ネクタイとの連想が働くからです。『ネクタイは飼い主に連れられている犬の引き綱の意味を持つ』という説明を読んだ記憶があるからです。

 家庭教師の場合を考えると、依頼者と先生の『雇う・雇われる関係』が人間同士の1:1の約束で決まりますから、『雇われて提供するサービス(サービスはライブのアクションですから、ライブのアクションの最中は先生はお客様のサーバント(召使)になっています)の対価として所定の金額を受ける代わりに雇い主との約束を忠実に果たす』という構図が浮き彫りになります。これに対して会社と人間の間の雇い・雇われる関係においては、雇い主が『法人という擬制された人間』になり、雇い主の立場に立つ上司も所詮雇われた人間ですから『雇い主との約束』と『ネクタイで繋がれた関係』が希薄になりますが、その基本図式はなんら変わるところがありません。

 私は12月10日に上野原インフォメーションの総会で正会員の仲間に入れていただきましたが、お集まりの方々のほとんどすべてのみなさまが『社長さま』でありました。資本金を出資している社長は会社の外に向けては誠心誠意頭を下げなければならない立場ですが、社内に対しては雇う立場でありますから、社内で頭を下げる上役は居ません。独立不羈と書いた意味はこの『資本金を出資している社長』という立場を意味すると私は考えています。上野原インフォメーションは首都圏では考えられない『独立不羈の人々の集団』ということが出来るでしょう。

 上野原インフォメーションのメンバーが投稿される記事は『独立不羈のご本人からのオリジナル情報』というのはこのことを言っていますが、それだけではありません。私が『上野原インフォメーションでは独立不羈のご本人からのオリジナル情報が掲載されている』という場合、もうひとつの意味を含んでいます。その意味は『salaried man』であっても、『一旦プライベートな世界に戻ったら自分は自分自身の社長なのだ』という意味で『投稿者ご本人は独立不羈である』ということであります。

 上野原インフォメーションへの投稿原稿は『お殿様のためではなく』、第6WEB研究室(その2)で書きましたように、『大正デモクラシーの後にわが国で男性に認められ、終戦後にようやく女性にも認められた選挙権にはじまり、昨今の男女共同参画社会に繋がっている市民社会の充実とさらなる向上のために、1市民の立場に立って、『自分の心の鏡』に照らして『こうだ』という思いが書き込まれています。


 私が大切にしているアメリカ海軍大学の『健全な意思決定』というテキストの言葉を借りると『インテレクチュアル オネスティー』、すなわち、『感情ではなく論理に基づいて出された結論に対して正直に行動すること』を私は『自分の心の鏡』という表現に託しています。(つづく)TN


2007−12−16   谷口ウエノハラ研究室  谷口 文朗TN





ウエノハラ 光社会 の創造と未知との遭遇』 その9


第33講 『私の上野原ユビキタス生活』D −『上野原インフォメーションの意味とその役割』 その1


 私は今、『人体実験』をしています。その内容は『エンピツよさようなら・キーボードよ こんにちは』になぞらえると『新聞よさようなら・インターネットよ こんにちは!』ということになります。

 企業で調査部調査課・企画部企画課に在籍していた頃、朝日・毎日・読売・産経・日経・ニューヨークタイムス・フィナンシャルタイムスなどの新聞だけでなくロンドンエコノミスト・ビジネスウイーク・東洋経済・ダイアモンドなどなどを来る日も来る日も読まなければならなかった時が20年近く続きました。その反動とでもいうのでしょうか、仕事に年輪を加えて読み筋が固まってきた結果なのでしょうか、日経だけは大学の勤務が終わるまで読み続けましたが、今、自宅では全く新聞と縁のない生活が続いています。

 新聞を買うのは外出先で電車に乗るときくらいですから、時折頂く地元の採れたて野菜を包んでおく新聞紙にも事欠く有様なのですが、今回はそんな私の『上野原ユビキタス生活』の1側面を記してみます。

 上野原インフォメーションは上野原生活に欠かせない『上野原時々刻々新聞』    

 生活する上でニュースは絶対に欠かせませんので、私はテレビかラジオでNHKの朝・昼・夜のニュースを聞くようにしています。車を運転している時もラジオで聞きます。PCをインターネットに繋いでYahoo! の画面でニュースをしっかりと見るのも欠かせない日課になっています。

 インターネットに繋いで見るニュースの中で『上野原インフォメーション』のポータルサイトは必見のメニューになっています。上野原の天気を左クリックするだけですぐに上野原の天気予報にたどり着くことができるのは大変便利です。

 『上野原インフォメーション』のPC画面は、天気に続いて地震情報・震源地検索・道路情報・年末ジャンボ宝くじ・迷惑メール相談センターなどの生活情報が検索できるようになっています。その次には市役所・市立病院・市立図書館・商工会・警察署・UBC・青年会議所・ガソリン価格比較などが並んでいます。それを左クリックすると只今現在のそれぞれの機関の活動と生活に必要な情報が盛り沢山にPC画面に出てきます。12月市議会の一般質問の日程も分るように設定されています。

 毎日の新聞と『上野原インフォメーション』の機能の違い

 このような人体実験を通して私の目に見えてきたのは『毎日の新聞と上野原インフォメーションの情報の違い』です。『何がどう違うのか』私が気づいたことは次の通りです。

@ 新聞の情報は『フロー』・上野原インフォメーションの情報は『フロー&ストック』
A 新聞の情報は『バッチ』・上野原インフォメーションの情報は『連続』
B 新聞の情報は『締め切り時間に追われた情報』・上野原インフォメーションの情報は『締め切り時間のない情報』
C 新聞の情報は『クローズドエンド』・上野原インフォメーションの情報は『オープンエンド』
D 新聞の情報は『デスクによる編集情報』・上野原インフォメーションの情報は『提供者からのそのまんま情報』
E 新聞の情報は『salaried man=サラリーマン記者が集めた情報』・上野原インフォメーションの情報は『独立不羈のご本人からのオリジナル情報』
F 新聞の情報は『活字情報』・上野原インフォメーションの情報は『電子情報』
G 新聞の情報は『有料』・上野原インフォメーションの情報は『無料』
H 新聞の『読者はナショナル』・上野原インフォメーションの『読者はローカル&グローバル』

 新聞の情報は『フロー』・上野原インフォメーションの情報は『フロー&ストック』

 経済学の重要なものの見方・考え方に『フローとストック』というのがあります。家庭生活で言えば、フローは毎月の生活のための月給や年金、ストックは貯金ということです。企業で言うとフローは毎年の損益計算書で明らかになる利益、ストックは貸借対照表に示されている資産ということです。

 この考え方を情報に応用すると、『新聞の紙面に伝えられる毎日起こっては消えていくニュースがフロー』で、それを『切り抜いてスクラップブックに貼り付けたニュースがストック』ということになります。

 インターネットは無限大の大きさを持つスクラップブックとでもいえるでしょうか、上野原インフォメーションの情報は意図的に削除されない限り、特別に保存しなくても画面に残っています。

 私が上野原インフォメーションから依頼を受けて書きはじめたこの寄稿は今回で33週目を迎えていますが、第1回目からずっと上野原インフォメーションの画面で読むことができるのです。このことは、上野原インフォメーションは『時々刻々新聞』であり、同時に『そのスクラップブック』という新聞には見出せないすばらしい機能を持っているということであります。

 旧友にばったり出会った時など、お互いの健在を確認した後に近況報告をする際に、私は『インターネットで上野原インフォメーションを検索して下さい。考えるところを書き綴っていますから』と言って分かれます。『これまでの32回分の寄稿を見て下さい』など新聞に書いた場合にはとても言えないことなのです。

 『上野原インフォメーションの情報ストック機能の大きな意味合い』については改めて書きますが、本当に『オー ワンダフル・イッツ グレート! 』と言いたい心境です。

 新聞の情報は『バッチ』・上野原インフォメーションの情報は『連続』

 『バッチと連続』も大切なものの見方・考え方のひとつです。日常生活で言えば、『バッチはエレベーター、連続はエスカレーター』というと分りやすいでしょう。新聞は締切時間までの1日間のニュースをエレベーターで運ぶようなものですから、いくら頑張っても『日日新聞』というのが精一杯のところです。これに対して上野原インフォメーションは時々刻々入ってくるニュースを時々刻々PC画面に取り入れることが出来るわけですから『時々刻々新聞』といってもよいわけです。

 『そんなに一刻を争うわけではないから』と言って見た所で、早いに越したことはありません。世の中の出来事を人より早く知りたいと思っているのが私たち市井の庶民の本音なのですから・・・・・。

 『締め切り時間に追われた情報』と『締め切り時間のない情報』

 第3点は、新聞の情報が『締め切り時間に追われた情報』で、競争紙とのつばぜり合いの中で『見切り発車』の感覚で記事を出稿する場合と慎重になりすぎて翌日回しになってしまう場合が出てきますが、上野原インフォメーションの場合は回転する輪転機があるわけでもなく、配送トラックがあるわけでもなく、バッチ処理について回る締切時間がありませんから、納得の行くまで掲載内容を吟味して、画面に載せることが出来るのです。そして画面に乗ったその瞬間にワールド・ワイド・ウエッブを通して光速で地球の隅々に届けられます。

 私がこれまで新聞や雑誌に寄稿した時の経験では締切時間は絶対でしたが、上野原インフォメーションへの寄稿が2日遅れたことがありました。締切時間がないことに救われた思いです。(つづく)TN



2007−12−10   谷口ウエノハラ研究室  谷口 文朗TN






ウエノハラ 光社会 の創造と未知との遭遇』 その8


第32講  『私の上野原ユビキタス生活』C −『オークションのはじめから終わりまで』


 インターネットオークションへの参加準備   

 前回、私は、インターネットオークションは毎日の生活に『しびれるようなゲームの感覚』を持ち込むことを説明しましたが、今回はオークションのはじめから終わりまで、その一部始終を具体例に即しながら説明しましょう。

Yahoo! のインターネットオークションへの会員登録
A 電子メールアドレス取得
B 銀行口座や郵便貯金口座からのインターネット送金手続き
 
 がどうしても必要です。銀行口座や郵便貯金口座からインターネット送金できる手続きをしておくと、昼間に銀行や郵便局にわざわざ出かけなくても、購入代金をより少ない送金料(場合によっては無料)で、手っ取り早く、真夜中でも送金できますので大変便利で、お奨めです。すばやく送金すると『落札者としての信用』が高まるからです。


 インターネットオークションのはじめから終わりまで   

 まずPCの画面にYahoo! を呼び出して、オークションを左クリックしてオークションの画面を開きます。画面右側中ほどに自動車運転の初心者用の若葉マークが付いた『はじめよう ! 』という囲み枠が出てきます。その中の利用登録するを左クリックします。必要な手続きが示されます。

ステップ1: Yahoo !  JAPAN  IDの取得(オークション利用時の氏名)
ステップ2: オークションユーザー登録(メールアドレスと自己紹介)
ステップ3: メールアドレスの確認(メールアドレスの利用確認)
〜〜〜 ここまでの手続きで4,999円まで入札出来るようになる 〜〜〜
ステップ4: プレミアム会員への登録(5,000円以上の入札資格の取得)
ステップ5: 住所氏名の確認(出品資格取得)

 『プレミアム会員への登録制度』は平成19年の秋からはじめられました。自動車・不動産など高額な取引のトラブルを前もってなくそうという配慮と思われます。
 インターネットオークションで台所用品・洋服・カバン・園芸用品など日常生活に必要なものは何から何でも見つけることが出来るというのがこれまでの私の経験です。私は、PC周辺機器だけでなく、谷口ウエノハラ研究室のためのコップやスプーンなど実にいろいろな品物をそろえることが出来ました。


 カメラの望遠レンズをオークションで探す   

 ここではカメラの望遠レンズを見つけ出して、入札に競り勝って『ゲット』した例を説明します。

 1959年、工場配属の初任給12,580円の新入社員が1年で東京本社に転勤になって、入社3年目に結婚祝いで買った32,000円のアサヒペンタックスS2。ペンタックスのフォーカルプレーンシャッター特有の『バシャッ』という快音とともに写真が撮れる感覚がなんとも気に入って、望遠ズームレンズや広角レンズなどいろいろ周辺機器を揃えたいと念じつつも、時間とマネーがままならずということで、カメラにのめり込む余裕がないまま過ごしてきた私が、今年の春に大学の勤務を終わって、インターネットオークションに参加するようになった時、買いたくても買えなかった昔懐かしいペンタックスの最新モデルや交換レンズが『よくもこれだけ尽きることなく出品されるものだ』と思われるくらい競り落とされても競り落とされても次々と出品されてくることを知りました(デジカメが世の中に現れた頃、デジカメはすべてレンズシャッターでしたから、私はなじめませんでした。それが遠因となってフォーカルプレーンシャッターのデジカメが出ても私はデジカメにはなじめないでいます。『カメラはレンズとシャッターと絞りが命だ』と思っている年金世代の私にとって、デジカメは正直なところ複雑すぎて、時間ばかり食ってしまう『時間食い虫』なのです。今の私にとって一番大切なのは『時間』です。『失われた時間は絶対に取り返せない』からです。  閑話休題)

 入札と落札   

 私は、オークションの画面で『pentax s』と書き込んで検索を左クリックして出てきた800件の出品の中から、125ミリf4.0の望遠ズームレンズと55ミリf1.8の標準レンズ付きの『ペンタックスオートマチックのブラック』を見つけました。山口県からの出品でした。

 『数年前まで普通に使えたもので自宅保管品です』という丁寧な説明が付けられていて、ボディーとレンズの実物写真も大変綺麗でしたのでPC画面のお気に入りに登録して、毎日入札動向をチェックしていました。


 この商品の入札は、入札可能期間は5日間、入札開始価格は3,000円、入札単位は250円でスタートしましたが、入札者が15人、最終落札価格は8,250円で入札が終了しました。

 出品者への連絡   

 入札終了時間が来て『おめでとうございます。この商品はあなたが落札しました』の画面が出ると、出品者情報という囲い枠が出ますので、その中から取引ナビを左クリックして、オークションの画面に従って落札者から出品者へメールを送ります。

 この段階では『落札者は自分』と分っていても、出品者はまだ誰だか分りませんので、あて先は『出品者のYahoo! ID』(ネット上の名前)様、発信者は自分の住所・氏名・電話番号を書いて、『貴ご出品のアサヒペンタックスを落札いたしました。送金口座をご連絡下さい。送料元払いの場合、念のため送料を含めた送金額をご連絡下さい』という文面を書き込んで、メールを送るという囲みを左クリックすると、メールが自動的に送信されます(メールアドレスを書き込む必要はありません)。

 出品者も自分の出品にどのような値段が付くのか、固唾を呑んで見守って、PCの前に座っている場合が多いのでしょう。ほどなく『落札いただいてありがとうございます。短い期間ですが取引終了までよろしくお願いいたします。送金口座は・・・です。入金確認次第発送します。発送伝票番号は・・・です』というメールが届きます。

 入札代金と送料を送金   

 私の場合、夜中でも『当日引落し、翌日送金』のインターネット送金をしていますので『ただ今ご指定の貴銀行口座にネット送金いたしました。明朝ご確認の上、よろしくお願いします』と返信して、あとはクロネコヤマトや郵パックが到着するのを待つという手順になります。

 発送伝票番号の連絡がある場合は、ヤマト運輸や郵便小包のホームページで伝票番号を検索して、荷物がどこを輸送されているかなどを確認して、到着を待ち受けるというわけです。荷物がただ今現在、どこを移動中で、いつ頃到着するかをリアルタイムでチェックできることもインターネットの検索能力のすばらしいところです。

 出品者の評価   

 落札商品の到着後、品物を確認してから、オークションの画面に従って出品者を『非常によい』から『非常に悪い』までの5段階で評価します。出品者も落札者を評価します。出品者が落札者を評価すると、ほどなく『あなたは優良な落札者と評価されました』というメールが届き、私のYahoo! IDに評点が加えられます。この評点がマイナスになると『マナーの悪い、信用できない入札者』となって、入札しても受け付けてもらえないことが起こります。

 商品説明から品物の質を見抜く   

 私が落札したアサヒペンタックスは次のように説明されていました。

★ご覧頂きありがとうございます★画像がすべての中古品です★大きなダメージ、目立つ傷はないと思います★ソフトケースは経年劣化、色褪せがかなりあります★数年前まで普通に使えたもので自宅保管品です★☆☆☆オマケにTAKUMAR-ZOOMレンズ!*小冊子(画像)付けます!☆☆☆★全機能未チェックです(当方カメラに無知です)神経質なかたご遠慮下さい★NC*NR前提でお願いします◎発送はヤマト着払い予定です◎
カメラに付属のレンズは55ミリF1.8で、オマケはズーム45〜125ミリF4になります。NC*NRでお願いします。

 この説明と写真を見比べて、私はこの出品者は『控えめで、無欲な人だ』と思いました。『TAKUMAR-ZOOMレンズ!』が欲しい私にとって、それが『おまけ』というのも『目立たなくてよいかも』と思いました。小冊子(レンズのカタログ)が付いているのも好都合です。『このような資料を大切に保管している人には粗雑な人はいない』というのが私の『人生の年輪から生まれる直感』を後押ししてくれました。

 入札条件は『NC*NR』=『ノークレーム・ノーリターン』、すなわち、『品物が届いてから、これは話が違うから返品することは出来ない』という条件で落札していますから、『品質が本当に説明通りかどうか』は『リスク』になります。私の場合はそのリスクを覚悟して、出品者を信用すると腹を決めました。あとは『最高額がいくらまでなら勝負するか』を決めて、インターネットの世界のどこかでPCに向かって私以上の高値をつけてくる競争入札相手と競り合えばよいということになります。

 大きな金額というわけではありませんが『同じ品物が再び出てこないかもしれない。この機会を逃すわけにはいかない』という『はらはら、どきどき』の一時を過ごして、私は8,250円で競り勝ったというのがオークションの一部始終であります(事実、これ以降、45〜125ミリF4ズームレンズの出品はありません)。

 ファインダーを覗くと横に黒い筋が見えましたが、これは撮影に影響ないということを他のオークションの説明で見ていましたから、私にとって問題ではありませんでした。

 後刻、私はこのカメラを新宿のペンタックスのカストマーセンターでチェックしてもらいましたが、『何分古い機種で部品がなく、オートマチック機能を完璧な状態に戻すことはできないが、手動でシャッターと絞りを決めて、マニュアル撮影するだけなら問題はありません。現状でこれだけ綺麗なレンズとボディーは珍しい。大切に使って下さい』と言われて満足して帰ってきました。

 私は、このカメラをインターネットオークション以外の方法で手に入れることは出来なかったと思っています。仮に入手できたとしても、上野原市から首都圏へ出向いて、何軒もカメラ店を歩き回って、結構な値段を払わなければならないと思います。インターネットは生活の中で時間と経費の節約に大きく貢献しています。これはほんの1例に過ぎません。上野原市の光ファイバー計画によって、私たちは、出かけなくても自宅にいたままで何でも手に入れることが出来るようになるのです。早く光ファイバー計画が進むことを待ち望みましょう。

 上野原市の光ファイバー計画によって、私たちは、出かけなくても自宅にいたままで何でも手に入れることが出来るようになるのです。早く光ファイバー計画が進むことを待ち望みましょう!

 ペンタックス望遠ズームが捉えた『ガビチョウ』   

 平成19年5月。住まいの近くでいつもと違う鳥のさえずりが聞こえるので、目を凝らしましたら、見慣れない鳥がいました。インターネットで調べたら『ガビチョウ』でした。8月頃まで朝早くから夕暮れまで、美しくさえずり続けてくれました。上野原の新町だけでなく、鶴島や甲東などでもさえずっていました。


 この写真はインターネットオークションで私の生活に彩を加えてくれているアサヒペンタックス望遠ズームレンズが捉えた『ガビチョウ』です。文字で鳥のさえずりを伝えられないのが残念です! TN


2007−12−02   谷口ウエノハラ研究室  谷口 文朗TN




 
ウエノハラ 光社会 の創造と未知との遭遇』 その7


第31講  『私の上野原ユビキタス生活』B −『オークションとゲーム オブ ライフの興奮』


 『オークション』は“Game of Life”の感覚を生活に持ち込んだ!

 私は前回と前々回にインターネットの『知る』と『調べる』という2つの機能がどのように生活に役立っているかを具体的に紹介しました。紹介できたのはごくわずかですが、少しはインターネットのある生活のイメージを得て頂けたでしょうか。

 今回は、Yahoo! の画面で『利用者のニーズ』とされている6項目の中の 第1番目の『買う』というニーズについて説明します。『買う』というニーズの中には12の機能(@ショッピング、A共同購入、Bオークション、Cコミック、Dチケット、E旅行、F出張宿泊、G保険、H宅配、Iネットバンク、J決済、Kコンテンツストア)があります。その中のオークションを取り上げて、インターネットに繋いでいるとどのような日常生活になるのか、私の『上野原ユビキタス生活』すなわち『コンピューターが日常生活に入り込んでいるありさま』の一部を紹介しましょう。

 オークションというのは『せり』です。時折テレビのニュースで名画の取引が行われている場面が出てきますので、オークションのありさまをご覧になった方が多いと思いますが、売りに出されている名画に複数の買い手が『入札』、すなわち、思い思いにこの値段で買いたいという数字を示して、これ以上高い値を付ける買い手がいないことが確認されると木槌が打ち鳴らされて、『落札』者が決まるという仕組みです。

 このやり方は名画だけでなく公共工事の受注業者を決める際にも取り入れられています。

 私は大学の勤務が終わった後、PC・液晶モニター・プリンター・CDドライブ・MOドライブ・AVIOのOHP兼用プロジェクターなどなどPCとその周辺機器を一式揃えなければならなくなった時、本格的にインターネットオークションの世話になり、最新型ではないが自分が研究室で使っていたのと同じタイプの機器を自分の支払能力の範囲で首尾よく整えることが出来ました。

 これまで、私は『オークションは自分に関係のないことだ』と思っていましたが、インターネットオークションでは、私が手に入れたいと思って付けた値段が一番高い時には『あなたは最高の入札者です』というメールが届きます。なんとも『いい気分 ! ?!』というわけです。これに対して、私以上に高い値段をつけた人がいる場合はすぐに『あなたより高い値段をつけた人がいます』というメールが届きます。刻一刻と迫り来る入札締め切り時間に向かってPCの画面の時計の針が進む中、私が付けた値段が覆面の追随者を振り切って時計の画面が『オークション終了』に切り替わり、程なく『おめでとうございます。あなたが落札しました』というメッセージがPC画面に出たときは『ヤッター』の心境になるというものです。

 逆に、どうしても手に入れたいので思い切って最高価格をつけたのに間髪をいれずに追い抜かれるような時は、『同程度の品物が出てくる時にがんばるか』と諦めと無念さが交じり合った心境で『オークション終了』画面を眺めるのです。

 こうしてインターネットオークションは『しびれるようなゲームの感覚』を生活に持ち込む結果となりました。第25講で私が紹介した『YOUTH』という詩に『Game of Life』(『人生のゲーム』)という表現がありましたが、このことを実感する思いでした。

 インターネット オークションとの出会い

 ここでは3年前の最初の経験を紹介します。私は1989年から4ナンバーのビッグホーンに乗り、25万キロを走っていましたが、ディーゼル車規制がはじまって2年近く経ったころ都庁から電話が掛かってきました。『何で都庁?』と思いましたが、電話の向うから『あなたの車は都内を走れません』と言われました。八王子で車のナンバーが写真に記録されていたのだと思っていますが、この時から私は『法と規則に反することをしてはいけないので、乗り換えようかな』と考えはじめました。

 私はサスペンションがよく、レカロシートが標準装備になっているいすゞの無骨さそのもののようなディーゼル車『ビッグホーン』が気に入っていますので、ビッグホーンに乗り換えたいと思っていました。ところがビッグホーンの生産は中止されていましたので、中古車を探すより他に方法はありませんでした(これは表の理由で、裏の理由は学生諸君に半ば煽てられるような形で有限会社を設立した時に、自動車の買い換えを断念し、買い換え資金を資本金に拠出しているためです。閑話休題)。

 インターネット以前の私ならば、『カーセンサー』という雑誌を見て最寄の中古車販売センターへ出かけていたでしょうが、『そうだ! インターネットで調べてみよう』と思いついて、インターネットにPCを繋いで、Yahoo! の画面を呼び出して、オークションの項目を左クリックすると、オークションの画面が出てきました。

 インターネットオークションことはじめ:PC画面で見つけた『ビッグホーン』

 Yahoo! の画面でオークションを左クリックして出てきたオークションの画面で、私は『ビッグホーン』と書き込んで検索を左クリックしました。PC画面には直ちにオークションに出品されているビッグホーンの写真が何件も並んで出てきました。その写真を片っ端からクリックして、気に入る車を探し出しました。これは3年も前の話です。

 ビッグホーンは残念ながら生産が中止されていますから現在は出品数が減っていますが、2007年11月25日現在の画面で示されている具体例で説明しましょう。

 インターネットオークションの情報

 写真とともに
『Yahoo! オークションへの出品物=ビッグホーン・走行距離164,130キロメートル・平成7年式・出品者◇◇◇さん・希望落札価格28万円・現在価格18万円・入札可能期間残り7日』
   という情報が示されます。

 この出品物のさらに詳しい情報を知りたい時は、写真を左クリックします。すぐさま商品詳細画面が出ます。そこには、
『現在の価格・入札可能な残り時間・最高額入札者・希望落札価格・数量・入札件数・入札開始価格・入札単位(この例では1,000円)・出品地域(この例では愛知県)・オークション開始日時・同終了日時・オークションID(オークション出品物の管理番号)
   が示されます。

 続いて数枚の写真が示され、
・商品の現状(車の外装と運転席・走行距離メータの拡大写真)
・商品の詳細スペック(@『自動車基本情報』(車検有効期限・排気量・オートかマニュアルかの別など)、A『自動車詳細情報』(ドアの数・駆動方式・乗車定員・ガソリンかディーゼルの別・車歴・所有者歴・修復歴・引渡など)、B『装備(オプションなど)情報』(エアコン・パワステ・エアバッグ・ETC・純正アルミホイル・取扱説明書など)
   が示されます。

 次に、『中古ゆえの原状渡し・ノークレーム・ノーリターン条件』・現車試乗の可否など出品者の取引条件の詳細補足説明が付されています。

 インターネットオークション情報の評価   

 私は、若かりし頃、『騙すな! 騙されるな!』というビジネス倫理を明治に生まれて世界で活躍された『物産マン』の 森 廣三郎 東レ社長から教わって、座右の銘として来ていますので、『インターネットオークションの情報は信用できるのか』をまず検討しなければなりませんでした。

 インターネットの情報は口頭情報ではなく、『活字情報』ですから消えてなくなることはありません。なので、『言った・言わなかった』という問題は起こりません。情報に嘘があれば、この段階においては捨て置いて相手にしなければよいだけですから。

 問題は『この車が欲しい』と思った時に、相手が誰か分らないことです。インターネットオークションの世界では、『売り手は覆面をしています。その代わり買い手の私も覆面をしている』ということになっています。相手も私もお互いがどこの誰であるかが分らない仕組みになっているのです。

 テレビで映し出される名画のオークション会場では出品者だけが覆面をしていますが、インターネットオークションの世界では出品者も入札者も覆面をしています。それでは『取引の基礎になる相互の信用がない』ことになりますので、インターネットオークションでは次の仕組みによって『取引に必要・最低限度の相互の信用』が確保されています。

@ Yahoo! のインターネットオークションへの会員登録(Yahoo! の画面で指示に従うと無料で登録できます)
A 数値化された出品者・入札者の信用度の表示(売買が成立し、売り手が送金を確認し、買い手が現物を受領した後に、出品者・入札者がお互いに相手を5段階評価した数値の累積。この数値は公開されていますから、マイナスの数値が付くと出品する場合も入札する場合も『よくない覆面者』というレッテルを貼られたも同然ですから、出品者は『恥ずかしいことは出来ない』と思うのでしょう、丁寧すぎるくらい丁寧に説明し、何枚もの写真を付して出品しています)

 はじめてオークションに参加する場合は取引の実績がありませんから信用はゼロとなり、受け付けてもらえない場合がありますが、私の場合は入札に参加し、落札できました。

 インターネットオークションにおける現物の確認   

 『情報に嘘はない』とその信憑性が確認された後、現物に瑕疵がないかどうかの確認が必要になります。私のビッグホーンの場合は、当時はまだオークションに参加する資格を申し込んでいませんでしたので、知人からメールで連絡をとってもらって川越市まで『現物確認』に出かけました。試乗してOKということになり、契約・調印・支払・現物引取を約束したという順序になりました(72500キロで落札したこの車は、上野原市の整備工場にホームドクターの役割をお願いして、3年で10万キロを越えてエンジン音は快調、25万キロを越えても走って呉れることを期待しています。閑話休題)。

 覆面を脱いだインターネットの向こう側の売り手に出会って   

 私はメールで知ったインターネットオークションの中で覆面をしている出品者の住所と電話番号を頼りに指定の場所に出かけ、ビッグホーンに出会いましたが、そこで出会ったインターネットの向こう側の売り手は『若い2人のお兄さん』でした。

 『志を持っている人特有の顔・形』の若人が2人、しっかりとマーケティングマインドをもって私を迎えてくれました。その時、私は『インターネットという新しい仕組みが出来たからこそこのような若い人達が志を持って事業をはじめることが出来るのだ』ということを『発見』しました。この時の経験から私は『インターネットオークションの中にいる覆面の出品者の説明に誠意を読み取ることが可能な場合は覆面の出品者は善良である』という『インターネットオークション哲学』に辿りつきました。

 『どのような説明が誠意ある説明か』と問われると困るのですが、人生の年輪から生まれる直感によって判断するとしか言いようがありません。(つづく)


2007−11−25   谷口ウエノハラ研究室  谷口 文朗TN





ウエノハラ 光社会 の創造と未知との遭遇』 その


第30講 『私の上野原ユビキタス生活』A −
「出かける前に『路線』でJRと私鉄の時刻と乗り継ぎを調べた上、場所を『地図』で確認する」


 『調べる機能のものすごさ』に最敬礼   

 私は前回、インターネットが私の日常生活に持つ意味を『知る』という機能の中の『ニュースと天気予報』を取り上げて説明しました。
 今回は、Yahoo! の画面で『利用者のニーズ』とされている6項目の中のC番目の『調べる』という11の機能(@辞書、A翻訳、B地域、C地図、D路線、E道路交通、F電話帳、G自動車、H家電・PC、Iきっず、J知恵袋)について、インターネットに繋いでいるとどのような日常生活になるのか、私の『上野原ユビキタス生活』すなわち『コンピューターが日常生活に入り込んでいるありさま』の一部を紹介しましょう。

 『調べる機能の何とものすごいこと』、それによってどれだけ時間と手間と費用が節減できるか、私は『最敬礼する心境』です」と私が書いていることを実際に体験してみたいと思われる方は『谷口ウエノハラ研究室』(090-1803-6707)へご連絡下さい。市役所の出張所か鶴島の研究室でインターネットの画面をホワイトボードに映し出して、具体的説明しましょう。

 路線探索のための『エンピツよさようなら・キーボードよこんにちは』再論 

 私は第28講で、「メールその他の便利さを吾がものとするにはエンピツではなくキーボードを使わなければならない」と書き、一番簡単な例として『朝』という字をキーボードで打つ時の手順を説明しましたが、これだけの知識では『路線探索』をするには不十分です。
『路線探索』とは、『お出かけ前にJR上野原駅を何時何分の電車に乗って目的地に何時何分に到着するか、帰りに上野原駅に何時何分に到着するには出先のJRや私鉄の駅で何時何分の電車に乗らなければならないかについてJRと私鉄の時刻と乗り継ぎを前もって調べる』ことです。

 以下に「キーボードの使い方について『新宿』と打ちこむにはどうすればよいか」を補足説明します。

 『ローマ字入力』で『新宿』と書く

 キーボードの一番下の『アルトキー』(=Alt)を左手で押しながら右手でキーボード最下段の『カタカナ・ヒラガナ・ローマ字キー』を押して
『ローマ字入力』〔注〕にする⇒英語のアルファベットキーで『SHI  NN  JU  KU』と打つ⇒画面に『しんじゅく』と『点線のついたひらがな』が出る⇒キーボード最下段のスペースキーを押して漢字に変換する⇒画面で『新宿』が確定する。
〔注〕ローマ字入力の場合、『ん』という字は『N』を2回押します。このほか次のキーボード操作を知っている必要があります。

『を⇒WO』・『ぢ⇒DI』・『づ⇒DU』・『じ⇒ZI』・『ず⇒ZU』・『買った⇒KATTA』(詰まる発音の小さい『っ』は『TT』と『T』を2回打つ)・小さい『っ』だけ打ちたい時は『つ⇒TSU』と打った後に変換する・・・・。

私の経験では、コンピューターが思い通りに動いてくれないで『理由なき反抗』をしているように思えて、コンピューターを怒鳴りつけて、ひっぱたきたくなる時があります。時にはやさしく労わっても動いてくれなくて心のなかで泣きたくなる時があります。こんな時、『何事につけてもコンピューターが動かない理由が私にある』場合ばかりでした。電話などで気軽に相談できる『コンピューターのホームドクター』を作って置くのが大切です。コンピューター画面左下隅のスタートボタンを左クリックして下から3番目に出てくるヘルプやワードの画面に出てくる『青色のイルカ君』は信頼できる相談相手です(閑話休題)。


 ローマ字入力はアルファベットを打つだけで、あとは『変換』操作をすることによって文字が確定しますが、『かな入力』はキーボードの左端にあるShiftキーを押すという操作が加わりますので少し厄介です。

 数字を書く時は、『アルトキー』(=Alt)を左手親指で押しながらキーボード最上段左から2番目の『半角/全角/漢字』キーを左手中指で押すと、画面右下の『あ』が半角の『縦方向に細長いA』に変化した後、数字を書きます(数字は半角で書かないとコンピューターは動いてくれませんのでご注意下さい)。

 『かな入力』で『新宿』と書く

 『アルトキー』(=Alt)を左手で押しながら右手でキーボード最下段の『カタカナ・ヒラガナ・ローマ字キー』を押して『ローマ字入力』を
『かな入力』に切り替える⇒『しんじゅく』(ローマ字キーの『D Y D @ Shift+8〔注〕 H』)とキーを押す⇒画面に『しんじゅく』と点線のついたひらがなが出る⇒スペースキーを押して漢字に変換する⇒画面で『新宿』が確定する。
〔注〕『Shift+8』は『Shiftキーを押しながら8を押す』ことを意味します。『っ・ぁ・ゃ・・・』などの『ひらかなとカタカナの小さい文字』はすべて『Shiftキーを押しながらそれぞれのキーを押す』操作になっています。

 上野原から新宿までの経路と時刻を探索する

 これだけ知っておけば、駅の名前をキーボードで打つことが出来ますから、『調べる』機能の中の『路線探索』をやってみることが可能です(新宿以外の駅名は上野原を含めて応用問題としてご自分で試行錯誤して見て下さい!)。

 検索が出来るポータルサイトはいろいろありますが、私が使っているYahoo! を例に説明すると次の通りです。この機能を使うと、JR上野原駅から新宿まで出かける時に @JRだけで行く場合、AJRと私鉄の京王線を乗り継ぐ場合などが6例示され、それぞれの所要時間、乗り継ぎ時刻と乗り継ぎ時間と乗り換え回数と料金が検索され、PCの画面に即座に表示されます。
 インターネットはJRの時刻表を調べる手間・ひまを省いてくれるだけでなく、私鉄の時刻表まで調べてくれますから本当に便利です。新宿までの料金はJRだけなら950円、京王線に乗り換えると670円ということも教えてくれます。


 路線探索ことはじめ:『出発駅は上野原』・『到着駅は新宿』

 Yahoo! の画面をPC画面に呼び出す⇒路線を左クリック(ボールペンで□の欄にチェック(v)を入れるのと同じと考えて下さい)⇒画面が変わる

 ⇒出発駅の欄に上野原と書き込む⇒到着駅の欄に新宿と書き込む⇒希望する日付についている▼の上に矢印を置いて左クリックする⇒▼=プルダウンメニューから希望する11月16日(金)を選択する⇒時刻についている▼の上に矢印を置いて11時00分を選択する⇒出発時刻指定を左クリック


 ⇒探索を左クリックする⇒画面に始発駅から到着駅までの乗換駅と乗り換え時間とそれぞれの区間の運賃と運賃合計の案内が3例表示されます。次の3件を左クリックするとさらに3例が表示されます。なお、到着時刻指定や終電車あるいは指定なしを左クリックするとそれぞれに対応した案内が画面に表示されます(月〜金と土・日で時刻が異なる場合は異なる時間がはっきりと示されます。帰途は到着時刻指定を左クリックします)。

 その中から自分の都合に合うものを選んで、メモします。自分の都合に合うものがない場合は、出発時刻あるいは到着時刻を変更して、探索を繰り返し、自分の都合に合うのを選びます。


 11月16日(金)午前11:00に上野原を出発して新宿まで出かける時の案内

 検索の結果は次の3つの案がPCの画面に示されます。
第1案:(乗り換え2回・所要時間1時間10分・運賃950円)
甲府発高尾行き普通電車に乗り、高尾で中央線快速東京行に乗り換え、国立で青梅発東京行き特別快速に乗り換え、最短時間で新宿到着。
11:21上野原駅発⇒11:38高尾着⇒11:42高尾発(中央線快速)⇒12:08国立着⇒12:09国立発(特別快速に乗り換え)⇒12:31新宿着
第2案:(乗り換え1回・所要時間1時間22分・運賃670円)
甲府発高尾行き普通電車に乗り、高尾で京王線準特急新宿行に乗り換え、第1案より12分遅れで新宿到着。ただし、運賃は最小。
11:21上野原駅発⇒11:38高尾着⇒11:53京王線高尾発準特急⇒12:43新宿着
第3案:(乗り換え1回・所要時間1時間23分・運賃950円)
甲府発高尾行き普通電車に乗り、高尾で中央線快速東京行に乗り換え、第1案より13分遅れで新宿到着。ただし、乗換えの苦労は最小。
11:21上野原駅発⇒11:38高尾着⇒11:42高尾発(中央線快速)(特別快速に乗り換えなし)⇒12:44新宿着
 この中からみなさん方はどの案を選択されるでしょうか。西口に用事がある場合は京王線の方到着場所が便利ですが、東口に用事がある場合はJRの方が便利でしょう。用事は東口の方にあるのだけれども京王線の670円の方が安いので多少不便でも京王線を選ばれる方もいらっしゃるでしょう。

 ここでは身近な例として新宿へ行く場合を想定しましたが、上野原からディズニーランド(到着駅を新浦安と入力する)へ行く場合などなど、出発駅と到着駅と出発時刻または到着時刻を書き込むと瞬時に案内が出てきます。

 『瞬時に案内が出てきます』と私は書きましたが、上野原市の奥地で、電話線の銅線の同軸ケーブルでインターネットを繋いでいる場合は探索ボタンを左クリックしてから案内が出るまでに時間が掛かります。これが光ファイバーでインターネットに繋いでいる場合は、情報が1秒間に地球を7回り半する速さで伝えられますから、上野原市のどのような奥地でも東京の都心や上野原市の中心市街地に居るのと同じ速さで『即刻案内が出て来る』ということになるわけです。

 『調べる機能のなんとものすごい!』と感じた具体例

 たかが『路線』くらいで『調べる機能のものすごさに最敬礼』とは大げさ過ぎると思われる方がいらっしゃるでしょう。次に私が『最敬礼する心境』になった具体例を紹介します。

 私は上野原インフォメーションへの寄稿の中で、大ケヤキシールを使った地域通貨を提案していますが、実は、企業に勤務していた時に地域通貨については全く縁がありませんでした。
 大学に転じた時はまだPCは本格的に普及していなかった上、大学の中でもインターネットが徐々に普及しはじめた頃でしたので、地域通貨を知る上でどうしても知っておかなければならない『シルビオゲゼル』というドイツの学者が1905年に書いた本(英訳)を調べるために国会図書館へ出かけました。本当に本があるのかどうか、半信半疑でしたが、『満州鉄道調査部』という蔵書印が押されている原書があるのを発見して、手続きをして手元に借り出し、国会図書館で約100ページのコピーを作成してもらったことがあります。


 ここまでは国会図書館はさすがにすごいと思ったことですが、インターネットで『シルビオゲゼル』と入力して検索をクリックすると、研究会の案内や研究論文さらには地域通貨の実行例などをPCの画面で見ることが出来たのです。ただ今現在、『地域通貨』と入力して検索をクリックすると、65.7万件もの説明がPCの画面に出てきます。とても読みきれる分量ではありません。

 上野原市立図書館へ不便なバスに乗って、バス代を払って、あるいは自家用車でガソリンを吹かして、空気を汚染させて出かけることなく、自宅で図書館以上に詳しい資料を読むことが出来るのです。上野原市の光ファイバープロジェクトは空気を汚さない生活を可能にする道具という見方が出来るわけです。

 地図検索も『調べる機能のなんとものすごい!』と感じる具体例

 今ひとつ、私がインターネットの威力を思い知った具体例として、地図検索を挙げておきたいと思います。これはみなさま方にとってもすぐ活用できる具体例でしょう。

 Yahoo! の画面をPC画面に呼び出す⇒地図を左クリック⇒画面が変わる⇒カーソルが点滅している四角の枠内に『上野原』と記入する⇒検索を左クリック⇒全国で『上野原』という名前の地域66件のうち10件が表示される⇒PC画面右下のもっと見るを左クリック⇒次の20件が表示される⇒『上野原市上野原』(調べたい地名)を左クリック⇒上野原中学校を真ん中にした1000メートル四方の地図が出る⇒地図の左上の『温度計のような目盛りを指差している手袋をはめた手の形を左クリックしたまま上方に2目盛りドラッグする⇒上野原中学校を真ん中にした10キロメートル四方の地図に変わる⇒市役所(調べたい場所)に白矢印を置いて左クリックする⇒白矢印を置いたところが中心となった地図に変わる⇒地図の左上の『目盛りを指差している手を左クリックしたまま下方に2目盛りドラッグする⇒市役所を中心にした1000メートル圏の地図が出る⇒この地図には番地が書かれているので行き先を確認する。


 いろいろな検索の方法

 地名を書き込んで検索する方法のほかに、市役所の郵便番号409-0112を入力して検索しても同じ地図がPCの画面に出てきます。PCの画面に出て来る『山梨県』(都道府県名)を左クリックして出てくる地図のなかの『上野原市』にポインターの矢印を置いて左クリックすると市役所を中心にした10キロ圏の地図が出てきます。

 地図は全国どこでも同じやり方でチェックすることが出来ます。レジャーで訪れる場所を調べたり、旅行の計画を立てたり、上野原市の光ファイバー『情報新幹線』計画は上野原市の一番の奥地でも目を未来に向けて毎日を楽しく生きる道を切り開いてくれる『ライフライン』なのであります。

電気・ガス・水道・道路と同じ生活基盤であります。早く光ファイバー計画が進むことを待ち望みましょう。


2007−11−18   谷口ウエノハラ研究室  谷口 文朗TN





ウエノハラ 光社会 の創造と未知との遭遇』 その


第29講  『私の上野原ユビキタス生活』@ −『リアルタイムで見るニュースとその価値』


 インターネットで見るニュースのリアルタイム性  

 インターネットが私の生活に持つ意味は、私が電源を入れてPCを『ポータルサイト』〔注〕に繋いだ瞬間に、私が加入しているNTTコミュニケーションズというプロバイダーのPCと相手が加入しているプロバイダーのPCを経由して、私のPCが世界中のPCに繋がることです。この時に世界に張り巡らされている蜘蛛の巣状の光速情報通信網(www.)がPCを繋ぎます。『日本標準時と上野原市という場所』で生きている『上野原市の1市民』が『地球全体に繋がる』ということでしょうか(このことは自宅の固定電話がNTTの電話線を経由して世界中の電話と話そうと思えば話せる状態で繋がっていると考えると分りやすいでしょう)。

〔注〕ポータルサイト:無料で利用できるインターネットの入り口で、ニュースなどの情報提供サービス、電子メールサービス、情報交換やコミュニケーションの電子掲示板(伝言板)などユーザが必要とする機能を提供しているPCの画面です。Yahoo! のほかにGooその他多くのサイトがあります。

 私はインターネットに繋ぎはじめた時以来Yahoo! というポータルサイトがPCの画面に出てくるように設定していますが、上野原インフォメーションの市民ポータルサイトをインターネットの入り口に設定して、上野原インフォメーションから世界に繋がることも可能です。

 ポータルサイトの役割  

 ポータルサイトは
@ 『検索エンジン』=『調べものをする機能』、
A 『リンク』=『PCに設定されているホームページを繋ぎ合わせる機能』
 によって利用者のニーズに応えられるように作られています。

 今現在のYahoo! の画面で『利用者のニーズ』とされているのは、@『買う』、A『知る』、B『楽しむ』、C『調べる』、D『暮らす』、E『集まる』という6つの分野ですが、まず『検索エンジン』の機能の2番目の『知る』、すなわち、@ニュース、A天気、Bスポーツ、Cファイナンス、D政治の5項目についてインターネットに繋いでいるとどのような日常生活になるのか、私の『上野原ユビキタス生活』とその評価を記しましょう。

 ニュースのスピード − 新聞とラジオ・テレビとインターネットの比較 −  

 インターネットに繋ぐ前だけでなく、インターネットに繋いだ後でも、銅線の同軸ケーブルのためにインターネットのスピードが遅くて使いものにならなった時代に、私は@ニュース、A天気、Bスポーツ、Cファイナンス、D政治の5項目についての情報を新聞の朝刊と夕刊に求めていました。

 新聞は活字ですから音声や画像のように消えてなくなりませんので、スクラップブックに貼って保存出来る点はプラスですが、新聞には編集の締切りに間に合わないニュースは載らない上に、編集方針に合わないニュースや意見は載りません。また、昼間と夜中には最新のニュースは届きません。

 ラジオとテレビは定時ニュースだけでなく臨時ニュースを流せますので速報性では一歩前進したと言えますが、音声や画像が消えてしまいますので確実性の点で不満が残りました(録音・録画をする場合は別ですが、手間が大変です)。

 これに対して光ファイバーで繋がれるインターネットはPCを繋ぎさえすれば『いつでも・どこでも活字で書かれた最新の@ニュース、A天気、Bスポーツ、Cファイナンス、D政治の5項目を見る』ことが出来ます。しかも『お気に入り〔注〕に追加する』というボタンをクリックすると文字情報がPCに保存されます(保存された内容を印刷することも可能です)。

〔注〕お気に入り=ブックマーク(しおり):インターネットに繋がっているPCに保存されている情報は世界で発行されたすべての百科事典・辞書・雑誌・新聞の縮刷版・書籍などの活字化された文字情報に加えてインターネットに掲載されている文字情報と考えてよいでしょう。この中から『読みたい・調べたいと考えるものごと』を『検索エンジン』という道具を使って取り出すことが出来るのです。

 『お気に入り』というのは『ブックマーク』(本にはさむ栞)という英語が翻訳された言葉です。『お気に入り』は、読んでいる本や百科事典などのページで『つづけて読みたい・もっと調べたいと考えるものごと』のところに『栞』を挟むのと同じで、インターネットに含まれている情報をもう一度見ようとする時に便利な手段です。

 インターネットに広がる音声と画像情報  

 最近目立ってきた特徴ですが、文字情報だけでなく音声を伴った映像情報もインターネットで検索・保存出来るようになっています。『情報新幹線の威力』というべきでしょうか。インターネットの機能は今後さらに拡大することは間違いありません。

 ニュースの分析・評価の深さ − 新聞とラジオ・テレビとインターネットの比較 −  

 @ニュース、A天気、Bスポーツ、Cファイナンス、D政治の5項目を知ろうとする場合、インターネットはスピードでは圧倒的にすぐれていますが、私が見ているYahoo! の場合は、毎日・読売・産経・時事各社の記事が紹介されていますので、特定の記事については4つの新聞の記事を見ることが出来るので、多様性の面でもすぐれています。

 インターネットがすぐれているのは、新聞やラジオやTVが速報する事実がどのような歴史の中から生まれてきたか、その意味は何か、今後ものごとがどのような方向に動いて行くかについての分析・評価をもインターネットで読むことが出来る点です。私だけでなく市民社会を動かす1票を持っておられるみなさま方にとって大変重要なことと思うのですがいかがでしょうか。

 この分野は主として雑誌・資料の得意の領域です。『文芸春秋』、『中央公論』、『諸君 ! 』、『正論』など十数種類の専門誌の長大な論考を詳しく検討するだけの購読料と時間と保存スペースを私は持ち合わせませんが、私は『今後の社会の動向を考える際に必要なものの見方・考え方』を的確に述べている2つの論調を2007年11月10日現在のYahoo! の画面から『要旨・文責 谷口』という形で紹介したいと思います。詳しくは全文をお読み下さい。

 『The Commons』掲載の『小沢代表辞任表明の衝撃』の要旨   (文責:谷口)  

 第1の記事は、『The Commons』からインターネットに転載されていた田中良紹氏による『小沢代表辞任表明の衝撃』です。
〔田中良紹(たなか・よしつぐ)氏略歴:1969年慶應義塾大学経済学部卒・同年TBS入社・社会部、政治部記者。・1991年(株)シー・ネット設立、代表取締役・1998年CS放送で国会TVを放送開始・2001年からインターネット放送http://kokkai.jctv.ne.jpで『国会TV』を継続。現在に至る〕

 現在の国会は衆議院で与党が三分の二、参議院では野党が過半数で民主党が第一党。この状態は日本の政治にとって未知の領域。衆議院で成立した法案が全て参議院で否決され、参議院で成立した法案が衆議院で否決される可能性がある。予算案だけは衆議院に優位性を認めているが予算関連法案が成立しないと予算の執行は不可能。

 憲法では参議院が否決した法案を衆議院の三分の二で再議決出来るので、与党がその気になれば法案を成立させる事は可能であるが、それで1本か2本の法案を成立させることは出来ても政治は膠着状態に陥り、結果として衆議院の解散総選挙を招くことになる。

 選挙の結果、民主党が過半数を獲得出来れば政権交代が実現して問題はない。しかし民主党が過半数を得られずに自公が過半数は越えるが三分の二には達しないのが最もありうるケースである。そうなると「ねじれ」は今以上に硬直的になる。再議決も出来なくなるので法案は1本たりとも通らなくなる。

 そうした政治の危機を選挙で解消しようとすれば、民主党が衆議院で過半数に届くまで何度も選挙を繰り返すか、6年後の参議院選挙で自公が過半数を越えるのを待たなければならない。そんな政治状況が国民生活にとって良いことなのかという問題が起こる。

 問題の根本は参議院の権能が強すぎるという点にある。これは憲法の問題であり、この点が初めて現実の問題として浮上してきた。衆参の「ねじれ」で政治を機能停止にさせないためには与野党が協力するしかない。 

 11月4日行われた記者会見で小沢氏は、党首会談の申し入れや大連立の申し出を自分から持ちかけた事実はないと強く否定する一方、「福田総理が自衛隊の海外派遣について国連の決議に基づいた平和活動に限定するという安全保障政策上の大転換を表明し、連立が出来ればテロ新法の成立にはこだわらないと約束した。自分としてはそれだけでも連立のための政権協議に入る価値があると判断した」と述べた。また「民主党はまだ政権担当能力がないと国民から見られており、参議院選挙で国民に約束した年金、子育て、農業政策を自民党との政策協議によって実現する事を通じて、民主党に政権担当能力をつけさせる早道だと思った」とも語った。

 しかし2日夜の民主党役員会で小沢氏は全員から自民党との政策協議に入ることに反対された。小沢氏としては自らが選んだ役員に不信任されたと同然だから、民主党員や誠実に対応してくれた福田総理に対して「けじめ」をつける必要があると判断したと代表辞任の弁を述べた。(以下省略)


 『中央公論』掲載の『国家の信用はコンビニ以下だ』の要旨   (文責:谷口)  
 
 第2の記事は、インターネットに掲載されている中央公論社の 舛添要一 厚生労働大臣・参議院議員の発言です。

いま何が起こっているのか

 相次ぐ不祥事は厚労省、社保庁や政治の世界だけの現象ではなく、日本社会全体で起きている。この背景には、国際社会の影響や日本人のメンタリティーの変化がある。国際社会が競争社会で、欧米の組織がトップダウンで意思決定をしているのに、日本はボトムアップでやっている。国際社会での競争が激化すればするほど日本的な悠長なやり方はますます通用しなくなる。

 ルース・ベネディクトは『菊と刀』で『西洋の罪の文化』に対して『日本は恥の文化』であると分析したが、いまや『中途半端な恥の文化』になってしまっている。年金の掛金を横領するという罪があっても、社保庁は誰が着服したのかも知らないし、地方自治体は「これはムラの恥だから」と言って臭いものに蓋をする。このことを私は告発しようとしている。

性悪説に立った制度設計が必要

 そもそも恥の文化が成立するためには、国民の一人ひとりが恥の文化をもっているということが前提だった。しかし、戦後、国民は恥の文化を教えられてこなかった。恥の文化をよみがえらせるために、全国民に徳育教育をやるという方策もあるが、それでは喫緊の事態には間に合わない。現在、目の前に年金の支給を待っている人をどう救うかといった差し迫った問題がある。それに対処するには人よりまず制度を変えるしかない。

 これからは社保庁窓口での保険料徴収を廃止する。全部、銀行や郵便局、コンビニに行って自動振替にしてもらったほうが安全だ。多くの国民にとって、日本国家はコンビニより信用されていない。もうこの国は来るところまで来ているという認識をもったほうがよい。昔から「官尊民卑」と言うが、その裏には、官はしっかりしているが、民はひどいという前提があった。しかし、それがいまは完全に逆転した。だから、やはり基本的には「民にできるものは民に」任せるほうがいい。

はびこる無責任体制

 社保庁の職員は「三層構造」に分かれる。この構造こそ日本の役所制度の弊害である。三層構造のトップは厚労省のキャリア官僚で、社保庁の頭脳として働く。二番目が社保庁本庁採用のノンキャリア職員。三番目が地方事務官(2004年4月に廃止)。この地方事務官は国家公務員として採用されているが都道府県知事の指揮を受ける変則的な立場で、現場で働く。

 このような三層構造では、厚労省のキャリアは2年ほどで本省に戻るため、全体を眺める程度で終わる。中間管理職を本庁採用のノンキャリアが占める。そして、現場は地方事務官の担当で、知事の指揮下に入りながら知事の指揮を受けることがないから杜撰な記録の管理や横領まで行われるような不祥事を招く結果となった。

 ただ、これは社保庁だけに限った話ではない。市区町村もまったく変わらない。責任の所在が曖昧なのである。

行政のチェック機関の設置を

 何をするにしても政府が国民から信用されていないのでは話にならない。そのためにも、まず年金制度について政府への信頼を回復するために努力したい。大臣に就任して1ヵ月で、約5000万件の年金記録のうち、氏名が入力されていない約524万件について台帳をチェックし、7割のデータの洗い出しを完了したから、早ければ12月までには終わるだろう。来春までに該当者不明の年金記録の照合をやり遂げたいと考えている。そのうえで、2010年には社会保険庁を廃止し、業務は2分割する。その際、三層構造や無責任体制を完全に排除するつもりだ。

社会保障から経済の活性化へ

 現在の日本の政治はねじれ国会ということもあり、哲学にまで至る政策論争になっていない。
 実際、社会保障についても年金記録の細かい点ばかりに拘泥している。これはこれで重要だが根本的な問題ではない。根本的な問題は、社会保障の財源をどのように確保して、それによってどのように国を豊かにするかということにつきる。

 現在、国家予算80兆円の4四分の1が社会保障に充てられている。これはつまり、財政の問題であり、消費税率の議論とも関わる。しかし、社会保障政策についてどのような施策をしたら、このような負担にもかかわらず、日本の活力が一番保たれるかといった視点がまったくない。

 スウェーデンの消費税率は25%だが、国民は税金によって、それだけ手厚い社会保障を受けている。そして、かの国民は日本より豊かで、より生き生きと暮らしている。

 いま日本のGDPは500兆円あり、その6割の300兆円を個人消費が占めている。本当に経済をよくするためには、個人消費を伸ばさなくてはいけない。現実には、日本人は収入が増えても消費しようとしていない。
 なぜ国民はお金を使わないのか。その最大の原因は老後に対する不安である。将来に不安を抱く者がいま手持ちのお金を使うことはありえない。実際、全国各地の施設では認知症の老人が亡くなってみると、何千万円も預金が残っていたなどというケースがいくつもある。国民の個人消費を伸ばすためには、まず老後に対する不安を取り除くことが不可欠なのである。そのためには、消費税の税率を5%から10%に引き上げてでも、その分を社会保障財源に上手に充てることによって、年金や医療、介護など社会保障制度を整備することが求められている。老後への不安がなくなることで、消費も増え、経済の活性化にもつながる。このように社会保障を経済の活性化のために利用するという発想があってもいい。

世直しとしての道州制の導入

 これまで日本社会は外圧によって大きく変わってきた。明治維新によって地方分権の幕藩体制は中央集権国家に変わり、太平洋戦争の敗戦の結果、明治以来の政治体制はマッカーサーによって変えられた。しかしいま、外圧がなくても、社会を変えなければならない時期に来ている。

 国民にとって最もわかりやすい改革は何かといえば、道州制の導入以外にないと私は考えている。
 
 現在の中央省庁のうち、例えば厚労省や農水省は中央省庁である必要はない。寒い北海道の健康法は沖縄とは違うし、養鶏の仕方も熱帯と寒帯とでは異なるので、それらは地方ごとに任せていい。

 中央に絶対に必要なのは、内閣府、外務省、防衛省、財務省、法務省の1府4省だけで、それ以外は極論すれば、全部地方でもできる。地方に権限を委譲すれば、政策決定過程がまったく違ったものになる。

 道州制本来の意味もあるが、これを日本社会の世直しの一つとして、ペリー、マッカーサーのような外圧の代わりに導入するという方法もあるのではないかと考えている。

 インターネットの値打ち  

 このような記事を自宅のPCで読んで、考えることが出来るのはインターネットのおかげです。みなさま方が上野原市のどのような奥地にお住まいでも、光ファイバーによる情報新幹線によって最新の @ニュース、A天気、Bスポーツ、Cファイナンス、D政治の5項目についての事実とその分析・評価を東京の都心に住む人達と同じ速さで見聞きすることが出来るということなのであります。

 天気予報などはニュース番組の後先にせいぜい都道府県単位の予報を見るのではなく、上野原市を郵便番号によって区分した21の地域ごとに、3時間ごと2日間の天気予報を必要とする時に見ることが出来るのです。雨雲の動き具合も見ることも可能です。

 光ファイバー引き込み工事の進み具合に注目し、『情報新幹線』を存分に活用することに思いをめぐらしましょう。

『未来に敏感!』
上野原市にぴったりのキャッチフレーズが上野原市に飛び交いはじめています。


2007−11−11   谷口ウエノハラ研究室  谷口 文朗TN





ウエノハラ 光社会 の創造と未知との遭遇』 その


第28講  『エンピツよさようなら・キーボードよこんにちは』


 光ファイバーは情報新幹線   
 
   
 一昔前のことですが、私は、はじめて光ファイバーに出会った時『目から鱗が落ちる経験』をしました。私が上野原市に新設された大学に勤務する前に勤めていた会社はナイロンの釣り糸も作っていました。光ファイバーは現在はガラスで作られていますが、ガラスは『ポッキリ折れる』というので『ガラスのように透明で折れないナイロンの釣り糸のような材質で光ファイバーを作る』というコンセプトで研究者が『プラスチック光ファイバー』の開発に取り組んでいました。

 私は企画調査部で仕事をしていましたので、新しい技術とそこから生まれる新しいものごとに強い関心を寄せていました。晴海の展示会で私が見たことは『自動車のエンジンルームに使用されている10本ほどの銅の電線の束に代わってわずか1本のプラスチック光ファイバーがヘッドライトやブレーキランプ、右折・左折ランプやパーキングランプ、室内灯などの電気信号を司っていることでした。その時、光ファイバーによって自動車が軽くなると燃費が向上するなど光ファイバーの持つ多くの可能性を社内で報告したことを記憶しています。


 その後、プラスチック光ファイバーは透明性においてガラスに及ばず、姿を消し、上野原市の光ファイバー計画では限りなく透明なガラスの光ファイバーが使用されていますが、この時の経験から私は『銅線の同軸ケーブルはJR在来線の単線区間である。光ファイバーは新幹線だ』と考えてよいと確信しています。
 上野原市の光ファイバー網は『上野原市の隅々にまで敷かれる情報新幹線』であります(光ファイバーは『情報ハイウエー』と言われますが、日本の高速道路は速度制限があってノロノロ走るのでよい喩えではありません。ドイツの高速道路は速度制限がなく、『自分の車が出せる最高スピードで走らなければならないのだ』とドイツ人から教わったことがあります。閑話休題)。
 その中に、TV、電話、放送、手紙、日常会話、銀行送金などなど生活のあらゆる情報が行き来し、未だインターネットを利用されていないみなさま方が『目から鱗が落ちる』ような経験をされる時が近づいてきています(銀行送金の本当の意味は紙幣やコインを受け渡しすることではなく、購買力を表わす数字をAさんの通帳からBさんの通帳へ付け替えているだけのことなのです)。

 第27講で取り上げたe-mailの便利さはそのごく一部分に過ぎませんが、光ファイバー社会で『情報新幹線に乗車してe-mailその他の便利さをわがものにする』には、勇気を出して新しい事柄に出会って頂かなくてはなりません。

 それは『キーボードを使って文字や記号を打ち込む』ことです。手紙やファックスの場合は文字を手で書けばよいわけですが、e-mailや銀行送金で『情報新幹線を利用する場合は、タイプを打つ要領で文字を書くこと』がどうしても必要とされるからです。

 『エンピツよさようなら・キーボードよこんにちは』  

 年配の方々にとってタイプといえば『1文字ずつカチャカチャと音を立てて、漢字・ひらかな・カタカナを拾う和文タイプ』と『アルファベットを機関銃のような音を立てて打ち込む英文タイプ』ということになるのでしょうが、PCで文字を書く場合はワープロと同じキーボードを使って文字を書きます。

 PCは、漢字・ひらかな・カタカナ・数字・アルファベット・句読点・プラスやマイナスなど多くの記号などが書き込まれた『キー』を叩かなければなりませんが、その時に『かな入力』と『ローマ字入力』のいずれを使うかの分かれ道に出合います。いずれの方法も慣れるまでは少し肩が凝りますが、慣れてしまえば鉛筆や筆で文字を書くのと同じ、あるいはそれ以上のスピードで字を書くことが可能です。

 漢字を思い出せない場合、あるいは、字体が間違っていないか心配な時など、字引を引くまでもなくPCが正しく書き出してくれますので鉛筆や筆で文字を書くより便利だと思えるようになって来ます。書いたり消したりが容易に出来るのも便利です。私たちの日本語のキーボードには『いろは』と『ABC』の両方が『和洋折衷』方式で書かれていますので便利です。英語が混じった文章でも、まずは人差し指で1つずつキーを叩くと叩いた文字がPCの画面に出てきます。

 キーボード ことはじめ:『ローマ字入力』と『かな入力』  

 『ローマ字入力』は『朝』と書く時、英語のアルファベットの『ASA』の順にキーボードを打つと、画面に『あさ』(点線のアンダーラインつき)と出てきます⇒点線がついた状態でスペースキーを何回も押すと『朝・あさ・麻・アサ・浅』など同じ発音で字が違ういくつものケースが示されます⇒その中から自分が書こうとしていた『朝』の上に青いマークが動いて来た時にキーボード右端の『エンター』キーを押します⇒点線がついた状態の『あさ』という字が『朝』に変わります⇒『朝』という文字が書かれるという順序です。

 次は『かな入力』です。『朝』と書く時、『あ』(=数字の3)と『さ』(=アルファベットのX)を押すと画面に『あさ』と出ます⇒そのあとの操作はローマ字入力と同じです。


 『ローマ字入力』と『かな入力』の切り替え  

 お孫さんが使っていたワープロをおばあさんが使って『あさ』と打ちました⇒画面に『3X』という文字が現れました⇒おばあさんは『何! これ!』と思いました。これはおばあさんが『かな入力』で使っていたPCをお孫さんが『ローマ字入力』に変えて書いていたためで、故障でも何でもないのですが、おばあさんにとってはPCが壊れてしまったと同じことになってしまいます。

 おばあさんが『かな入力』で使っていたPCをお孫さんが『ローマ字入力』に切り替えて使ったからこのようなことが起こった訳ですが、お孫さんがPCを使い終わった時に元の『かな入力』に戻しておくことが求められると言えるでしょう(これを『原状復帰』と言います)。原状復帰はPCについての知識と経験が豊富な側(この場合はお孫さん)が責任を持ってやることが必要です。

 必要なことは『ローマ字入力』を『かな入力』に切り替えればよいだけのことです⇒私が使っているPCはキーボードの最下段の『アルトキー』(=Alt)を左手で押しながら右手でキーボード最下段の『カタカナ・ヒラガナ・ローマ字キー』を押すと『ローマ字入力』⇔『かな入力』が簡単に切り替わります。

 数字とアルファベットの書き方  


 『ひらがな・カタカナ・漢字』は『ローマ字入力』でも『かな入力』でも書くことが出来ますが、算用数字とアルファベットを書くことが出来ません。算用数字がかけないと銀行送金は出来ません(算用数字は半角で書くのが基本です)。

 数字とアルファベットを書く時は、私のPCでは、『アルトキー』(=Alt)を左手親指で押しながらキーボード最上段左から2番目の『半角/全角/漢字』キーを左手中指で押すと、画面右下の『あ』⇔半角の『A』に変化が起こりますこの操作で変化が起こらない場合はマウスでポインターと呼ばれる白矢印を『あ』(=『ひらかな』)または『A』(=『半角英数』)の上に置いてマウスを1回左クリックすると『ひらかな』、『全角カタカナ』、『全角英数』、『半角カタカナ』、『半角英数』、『直接入力』が出ますので、その中の『ひらかな』または『半角英数』の上にポインターを置いて1回左クリックして下さい。『あ』⇔半角の『A』に変化します)。

 ゆっくりでもよい、間違わず1文字1文字書き加えていくと文章が出来上がります。この操作をe-mailの画面で行うと、あとはあて先さえ書き込むことが出来ればe-mailを送ることが出来るのです。

 上野原市民のみなさん方の自宅まで上野原市によって『情報新幹線』のレールが敷かれ、みなさん方が情報新幹線に乗車される記念すべき日が刻々と近づいています。夢が段々と膨らんできました。


2007−11−04   谷口ウエノハラ研究室  谷口 文朗TN





ウエノハラ 光社会 の創造と未知との遭遇』 その


第27講  『コミュニケーションが変わって来る


 
 ウエノハラ 光社会 のコミュニケーション  

 上野原市の光ファイバー計画は、光ファイバー回線によって、
@ 『中山間地の1軒屋と街中のすべての家庭で高速(光速)で、正確な大量情報伝達を可能にする』
A 『上野原市のすべての家庭を会話が出来る近さに繋ぎ合わせる』
 という2つの梃子の作用を持っています。そこから私たちの『社会生活』と『個人生活』にどのような効果が生まれてくるのか、今回から毎日の生活に生まれて来る変化について具体的に書きはじめます。まず『コミュニケーション』(意思疎通)について考えます。

 私たちの繋がり方と 『SOS』・『了解』 というコミュニケーション  

 『人』という字は『1人なら倒れてしまう(生きて行けない)けれども2人が支え合えば倒れない(生きて行ける)』ことを意味しています(表意文字)。一番分りやすいのは『夫婦による支え合い』でしょう。この夫婦の支え合いの周囲には『家族による支え合い』があり、支え合いの輪は隣近所⇒町内会⇒地方自治体⇒国家⇒世界・地球へと重層的に広がっています。

 『支え合い』は命令によってではなく、自発的なボランティア精神を前提とした『SOS』・『了解』というコミュニケーションの中で行われます。『SOS』・『了解』というコミュニケーションは『頼み・頼まれる間柄』で行われますが、この関係は空気のように当然のこととしてはじめから存在しているわけではありません。『頼み・頼まれる間柄』はコミュニケーションを保とうという努力によって築かれると私は考えています。

 『頼み・頼まれる間柄』の形成  

 ディズニーランドは『いらっしゃいませ』という出迎えの挨拶を『お早うございます』という挨拶に変えました。『いらっしゃいませ』という当たり前の挨拶では訪れた人達が無言で通り過ぎる。それは『もてなしを旨とする会社としてはよくない。出迎えの挨拶に返事が返ってくるにはどのような挨拶をすればよいか』を考えた末に『お早うございます』という挨拶に変えたといわれています。『お早うございます』と挨拶されて無言で通り過ぎる人はよほど横柄な人で、ほとんどの人は『お早う』と挨拶を返します。そこで『朝早くからお出で下さいましてありがとうございます。どちらからいらっしゃったでしょうか』とコミュニケーションが繋がります。

 これが心理学のキーワードの『ラポール』(rapport:円滑にコミュニケーションができる土台となる健全な人間関係)形成の原点になって、コミュニケーションの内容が深められ、質的に変化しながら『頼み・頼まれる間柄』が形作られて行くのだと私は思っています(『お早うございます』という挨拶を私はファミリーレストランや高速道路の料金所で受けたことがあります)。

 音声によるコミュニケーションと文字によるコミュニケーション  

 このような努力から生まれる人と人の『SOS』・『了解』というコミュニケーションは、まず肉声(音声の形の言葉)で行われますが、肉声の届かないTPO(時・所・場所)ではコミュニケーションは手紙(文字の形の言葉)で行われます。

 『肉声によるコミュニケーションは、早いけれども、証拠が残らない上、コミュニケーションの範囲が限られる』という不便があります(その得失点はプラス1対マイナス2です)。これに対して『文字によるコミュニケーションは、コミュニケーションの範囲が広がった上に証拠が残るけれども、遅い』(プラス2対マイナス1)という不便があります。

 エジソンによる電話の発明によって音声コミュニケーションは『早くて、証拠が残らない点は変わらないが、肉声よりその範囲が広がる』ことになりました。その結果、音声によるコミュニケーションは『プラス2対マイナス1』に改善され、文字によるコミュニケーションと同じ『得失点状態』になりました。しかしながら電話線のネットワークと受話器という設備・機器が必要となった上、お金がかかるようになりました。

 今、上野原市では光ファイバーネットワークが出来ることによってすべての家庭で『広い範囲で、証拠が残る文字によるコミュニケーションが光速によって高速に行われる』ことになりました。文字によるコミュニケーションの『得失点』が『プラス3対マイナス0(ゼロ)』になったというべきでしょうか。

 私は社会人になった当初、『メモ魔になれ』と上司から教育されたことがあります。それを実行してきた経験から、
 私は正確なコミュニケーションは音声ではなく、文字によるコミュニケーションに軍配が上がると確信しているのですが・・・・・。

 ウエノハラ 光社会と e-mail  

 前置きが長くなりましたが、上野原市に光ファイバーネットワークが完成した後に開けてくる『ユビキタス ウエノハラでは @速さ、A正確さ、Bコミュニケーション広範さにおいて優れている 電子メール(e-mail) がコミュニケーションをしっかりと支えてくれる』ことになります。ファックスも@速さ、A正確さ、B電話と同じ広範さを持っていますが、ファクスはまず紙に書かないと相手に送ることが出来ません。また紙でないと情報を受けることが出来ません。機械の調子が時に思わしくないことがあり、正確さに問題がることがよく起こります。操作性において電子メールの方が格段に優れていると思います。

 電子メール(e-mail)による『広範で、証拠が残り、光速の文字によるコミュニケーション』とは一体どのようなことなのか、日ごろパソコンや携帯電話をインターネットに繋いでe-mailを利用しておられる方々は説明するまでもなく身体で理解されている事柄でありますが、日ごろからe-mailを使っておられない方々にこのことを分って頂くのは簡単ではありません。『百聞は一見に如かず』(“seeing is believing”『見ることは聞くことである』)というわけにも行きませんので、e-mailが如何に便利で、確かなコミュニケーションの手段であるか私の体験を基に説明することにします。


 e-mail ことはじめ  

 『新しいものごとは業務の分野でまず用いられる』というのが順序だと私は思っています。
 携帯電話は今でこそみんなが使えるほど安くなりましたが、帝京科学大学が上野原に創設された頃は自動車のバッテリーくらいの大きさの自動車電話(モービルフォーン)が1台100万円で、会社でも社長の車で使われているだけでした。

 同じ意味で、私がe-mailにはじめて接したのは、家庭ではなく、大学の大型コンピューターが山梨大学を経由して世界に広がるインターネットのwww.に繋がったときでした(www.はワールドワイドウエッブで『世界に広がっている蜘蛛の巣状の送受信網』のことです)。私の場合はfumio@ntu.ac.jpというメールアドレスが与えられ、研究室のPCから学科会議の連絡や議事録の送付、親睦会の連絡など学内関係者への連絡や学外でメールアドレスを持っている人達との連絡や意見交換がはじめられました。

 このことは『e-mailをはじめるには、電話になぞらえると、受話器の役割を果たすPCを用意して、電話会社の役割を果たすプロバイダーと契約して、電話番号に相当するメールアドレスをもらって、電話回線の役割を果たすインターネットに繋ぐことが必要である』ことを物語っています。

 e-mailを利用するには設備機器と厄介な手続きが必要ですが、このことは電話の場合も必要とされたことですからe-mailに不利な要因ではないでしょう。

 私の場合、e-mailを率先して使った訳ではありませんが、使って行くうちにその便利さを思い知るようになり、今では毎朝目を覚ましてPCでまずe-mailを見ることが日課となっています。e-mailの便利さは次の通りです。

 届いたメールに返事をするときは、  
@ 届いたメールに返事をする時に、『返信』というマークをクリック(ボールペンでチェックの印をつける動作と思えばよいでしょう)するだけで、封筒に相手の住所・氏名・日時と自分の住所・氏名を書き終わった状態になる、
A PCの画面に文章を書き終わって、『送信』というマークをクリックするとその瞬間に相手のPCに『メールが届いています』というサインが出る(切手を貼って、投函して、配達が完了した状態になる)、
B 文章を書く際に、書き加えたり、削除したり、便箋を無駄にすることがない
   などをまず思い起こします。

 自分から相手に e-mail を送るときは、  
C 本紙(手紙のあて先)・写(知っておいて貰いたい)の欄にそれぞれのメールアドレスを入力すると必要枚数だけコピーを作る必要がなく、『あっ』という間に一斉に送信できる、
D 発信相手と発信日時が(秒単位で)正確に記録され、手元に控えが確実に残る、
E メール本文に添付資料をつけることが出来る(PCで書いた文章、デジカメで写した写真、スキャナーで作成した古文書など)、
F いちいち切手を貼らなくてもよい、ポストに行かなくてよい
   などをあげることが出来ます。

 アルファベットや数字や記号で一杯のメールアドレスをいちいち書き込むのはおよそ不可能ですが、メールアドレスを一度アドレス帳(住所録)に書き込んでおきますと、後はそれをクリックするだけで済みますので問題はありません。とくに便利だと思うのは、相手が不在の時、電話なら架けなおさなければならないのですが、メールは相手が都合のよい時に読んでくれるので、私の場合、落ち着いた気持ちでメールのやり取りが出来ることです。

 上野原市でまだe-mailを使っておられない方々が今すぐe-mailをはじめる場合は、@PCを用意して、ANTTコミュニケーションズやヤフーなどのプロバイダーと契約し、電話番号に相当するメールアドレスを受取って、Bインターネットに繋げばe-mailをはじめることが出来ますが、中心市街地の場合はそれでよいとして、中山間地では問題があります。上野原市では中心市街地ではNTTの光ファイバー回線が敷かれているので、光速による高速通信が可能であるのに対して、中山間地では銅線の同軸ケーブル回線による通信であるために、通信スピードに圧倒的な格差があるということです。


 このような格差は上野原市の光ファイバー計画で解消されます。


2007−10−28   谷口ウエノハラ研究室  谷口 文朗TN
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ウエノハラ 光社会 の創造と未知との遭遇』 その


第26講  『光社会』の是か否かを決める判断基準



 3つの判断基準  

 私は、技術の進歩によって生まれてきた新しいものごとを私たちが受け入れるか拒絶するかを左右する要因は、新しいものごとが
@ 毎日の生活の中で経済的価値の増進に貢献するかどうか、
A 毎日の生活の中で社会的価値の増進に貢献するかどうか、
B 現在および近い将来の生活基盤を守るのに貢献するかどうか
 であると考えています。
 
 この3つの要因の具体的内容を私は次のように考えます。
@ 『より少ない費用・より少ない時間で』日々の生活を送ることが出来るか
A 人権と機会均等基準:『女性の社会進出・地域格差の解消』に役立つか
B 地球環境保全基準:『NOX・COX排出削減・エネルギー節約』に有効か

 私は、第@の基準は、洋の東西を問わず、人間社会に当初から作用していた価値基準であり、
第Aの基準は、大正デモクラシーの後にわが国で男性に認められ、終戦後にようやく女性にも認められた選挙権にはじまり、昨今の男女共同参画社会に繋がっている市民社会の価値基準と考えています。
第Bの基準はまさにここ数年の間に実際に社会を動かしはじめた基準で、家電リサイクル法、ハイブリッド車、夏に冷房温度を上げてノーネクタイで過ごす『クールビズ』、あるいは、冬に暖房温度を下げて『セーター1枚増やすライフスタイル』などがその具体例といえるでしょう。


 この3つの基準から生まれでた変化は後戻りすることはありません。以下に、この3つの基準に照らして上野原市の光ファイバー計画を評価したいと考えます。

 第1の判断基準:『費用・効果基準』

 毎年今頃になると国・県・上野原市・町内会などで『予算』という言葉が飛び交いはじめます。予算は英語で『バジェット』といわれますが、アメリカ議会の予算委員会は『ウエイズ&ミーンズ委員会』といわれています。『方途・使途(ways)はこんなに多くあるが、そのための手段=お金(means)はこれだけしかない。そこを遣り繰りするのが予算なのだ』と考えると分りやすいと思います。
私たちは毎日『やりたいことは一杯あるのにお金と時間はこれだけしかない』というせめぎ合いの中で、無意識のうちに『今日という1日の間に、自分に与えられているお金と時間から最大の満足を引き出すために、何にどれだけ、どの順番でお金と時間を割り当てるか』を決めて生活しています。

 その時の判断基準が『費用・効果基準』です。『分数の分子に効果・満足の大きさ』を入れて、『分数の分母に費用・時間』を入れると、分数の値は『1単位の費用・時間で得られる効果・満足の大きさ』を表わします。
みなさん方は毎日ものを買う時に無意識のうちにこの分数を頭に描いて、分数の値が一番大きくなるように何をどの順番で買うかを決めておられる筈であります。この分数は人がものごとを決める根本原則です。


 生活を豊かにするということは、この分数の値を大きくすることに他なりません。そのためには『分子の値はより大きく、分母の値はより小さくすることが思案のしどころ』と言うことになります。
人はそれぞれの価値観(判断の物差し)に従って、もっと綺麗なテレビ、もっと早く動くパソコン、もっと綺麗な洋服、もっとおいしい食べもの、もっと健康な身体などなど『分子の値をより大きくする』ことを求めて懸命に努力しています。しかし、同時に少しでも少ないお金、少しでも短い時間で同じ効果・満足を得ようとして懸命に努力しています。
この2つの努力はコインの表と裏のように切っても切れない形で同時に行われています。私たちはこの努力の中から捻り出されたお金と時間によってこれまで先送りしてきたものごとの実現に取り掛かって、より一層豊かな生活を実現しているのです。

 光ファイバー計画のもつ『2つの梃子の作用』  

 この観点に立つと上野原市の光ファイバー計画は分子をより大きくする働きと分母をより小さくするコインの両面の働きを通して生活を豊かにしてくれることが分ります。
しかしながらどこまでが分子の効果で、どこまでが分母の効果かを区分することは出来ませんので、
ここでは光ファイバー計画が、
@ 『高速(光速)で、正確な大量情報伝達を可能にする』
A 『上野原市のすべての家庭を会話が出来る近さに繋ぎ合わせる』
 という2つの梃子の作用を通して革命的変化をもたらすことに注目して、『社会生活における効果』と『個人生活における効果』を考えて見ることにします。その具体的な内容は次の通りです。

 光ファイバー計画から生まれる社会生活の変化  

@ 上野原市の隅々に行きわたったボランティアによる助け合い社会の誕生、
A 情報予告端末(告知端末:notice terminal)を使った行政放送による安心・安全情報の適時・的確な伝達
B 情報予告端末を使った個人やグループで双方向の応答
(『告知端末』は『notice terminal』の訳ですが、『notice』とは『information about what is going to happen』すなわち
『これから発生するものごとについての情報』を意味します。
私は『告知端末』より『情報予告端末』という表現が適していると思っています。
『告知』という表現は生命保険の『告知』(≒『告白』)のイメージがあって相応しいとは思いません)
C 市民による手作りの自主放送で自分たちの日常生活が伝えられる
D 情報の共有と公開による透明で嘘のない社会
E 市民の声を直接行政に反映する直接民主主義的な社会
F 地域格差のない公平な社会
G 行政経費の削減
H 地域力向上から生まれる上野原市への企業進出の活発化(税収効果 雇用促進)
I ニュービジネスの誕生
J 地場産業の活性化

 光ファイバー計画から生まれる個人生活の変化  

@ デジタル放送でテレビの画面が綺麗になる、
A カメラを取り付けてIP電話をテレビ電話として使える
B 手紙より早く、電話より正確なコミュニケーションが出来る
C 自宅に居ながらショッピングが出来る
D 自宅に居ながら銀行送金が出来る
E 自宅に居ながら何でも調べることが出来る
F 新聞記事や週刊誌の記事を見ることが出来る
G プロ野球やサッカーの途中経過をリアルタイムで見ることが出来る
H 在宅勤務が可能になる

 個人生活の変化の1例−銀行送金  

 10月1日から郵便局の預貯金が『郵貯銀行』で扱われることになりました。ですから郵便局からの送金は文字通り銀行送金ということになりました。ここでは上野原市にお住まいのおじいさん・おばあさんが北海道で学んでいる孫にちょっとお小遣いを送ってあげる場合を具体例として説明しましょう。

 これまでは郵便局が閉まらないうちにと時間に追われながら郵便局へ出かけて行って、現金書留で現金を送ったり、孫の貯金通帳にキャッシュディスペンサーから入金していましたが、上野原光ファイバー計画で自宅が光ファイバー社会に繋がると、朝でも昼間でも夕方でも深夜でも、自宅に居たまま郵貯銀行の口座にお金を送ることが出来るようになるだけでなく、送金費用も安くなります。郵便局まで行く交通費と時間がかからなくなるだけでなく、お金を持って歩く必要がなくなります。

 第2の判断基準:人権と機会均等基準  


 上野原市の光ファイバー計画を受け入れるのか、あるいは、これを拒絶するのかについての第2の判断基準はこの計画が『上野原市における女性の社会進出と地域格差の解消に役立つかどうか』ということです。一例として『光ファイバープロジェクトによって在宅勤務が可能になること』は女性が家で育児をしながら自宅で会社の仕事が出来ることですから女性の社会進出にプラスであると言えるでしょう。

 光ファイバープロジェクトが地域格差の解消にプラスになることは言うまでもありません。上野原市の中山間地で未だに携帯電話が繋がらない地域が残されていることを見れば明らかなように、光ファイバーの設置を民間企業に任しておけば中山間地の市民は上野原光社会のメリットを受けられないで取り残されてしまいます。税金は上野原の中心市街地と同じ算式で計算されているのに光ファイバー事業のメリットを受けられないというのは明らかに機会均等の原則に悖ります。

 電気を届ける電線や音声を運ぶ電話線はライフラインといわれますが、光ファイバーは『情報化時代を生きるウエノハラユビキタス社会』のライフラインそのものであります。

 上野原市が平成の大合併促進策として用意された合併特例債を活用して、民間企業では実行不可能な中山間地から先に光ファイバーを導入しているのは地域格差の解消=機会均等の原則に見事に合致することであります。

 第3の判断基準:地球環境保全基準  

 家に居たままで送金できたり、勤務できるということは、自動車に乗って外出しなくてもよいことを意味しますから、自動車の排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOX)や炭素酸化物(COX)が減少します。当然のことながらガソリンの消費も減少します。ですから光ファイバー計画は地球環境保全に有効です。

 プライベート&オフィシャル  

 ここで述べた3つの基準はすべての人々に共通する社会生活の観点からの判断基準です。ですから『公私』という区分でいうと『公』(オフィシャル)の立場での判断基準ということになります。
オフィシャルな立場に立つ限り、光ファイバープロジェクトに反対する理由はないと私は考えています。1つあり得るとすれば、もっと少ないコストで光ファイバーが敷設される方法がある場合ですが、合併特例債を使う今回のプロジェクトは市民のコスト負担が最も少なくて済む方法であると私は思っています。
ここでは繰り返しませんが、9月の市議会における奈良田議員の質問に対する奈良市長答弁によってはじめて私が知ることができた数字がこの点をはっきりと示していると私は考えます(上野原インフォメーション市民ポータル奈良田議員ホームページをご参照下さい)。


 しかしながらそうは言っても人には人に言えないような『私』(プライベート)の立場から新しいものごとに反対することが起こり得ます。
それはそれで人それぞれの立場ですからそれでよいわけですが、
自分のプライベートな立場から生まれてくる反対意見に賛同を求めることは筋違いであると私は思います。
自分の意見に賛同を求める場合、オフィシャルな立場から判断した意見でなければならないというのが『品格のある社会の常識』と私は思っています。 



2007−10−21   谷口ウエノハラ研究室  谷口 文朗TN




ウエノハラ 光社会 の創造と未知との遭遇』 その


第25講  『YOUTH』を学んで『光社会』を迎えよう


 なぜ、今、『YOUTH』なのか  

   私は『谷口ウエノハラ研究室』のモットーに
『YOUTH is not entirely a time of life 〜 It is a state of mind.』
(YOUTHとは人が人生を生きる時のことをいうのではない。YOUTHとは人その時の心の姿をいうのである)
という英文を掲げています。これは サミュエルウルマンの作とされる『YOUTH』という詩の冒頭の一文です。
 この詩は電力業界のリーダーであった松永安左衛門氏、松下電器創業者の松下幸之助氏、東洋紡績会長の宇野 収 氏など産業界のリーダーが座右の銘としてきた有名な詩で、今も多くの会社のモットーとなっています。少しずつ表現に違いのある詩が出回っていますが、みなさま方どこかで見聞きされたことがあろうかと思います。ここではマッカーサー元帥が執務室に掲げていた花文字で書かれた詩を用いて内容を紹介しましょう。


 『YOUTH=若い』ということはどういうことか  

 私が「インターネットに繋いでいますか」とお聞ききした年配の方々は10人中10人が「私はもう歳ですから」といわれます。これでは若い時から働き通してようやく、今、時間にゆとりを持てるようになった年配の方々が豊かな時間の中、市の光ファイバー事業によって開かれる『クオリティーオブライフ』の恩恵を受けることが出来ないと思います。

 なぜ、今、この詩を紹介するのか。それは上野原市の市民のみなさんにこの詩を学んで頂いて、市の光ファイバー事業によって、上野原市に生まれ出ようとしている『ウエノハラ光社会』に出合って頂きたいと念願するからであります。

 この詩の最初のパラグラフの内容は次の通りです。

 『YOUTHとは人が人生を生きる時のことをいうのではない。YOUTHとは人その時の心の姿をいうのである。YOUTHとはりんごのような頬、ピンクの唇、膝の柔らかさといった身体の姿のことをいうのでもない。YOUTHとは鍛えられた意思、すばらしい想像力、ほとばしる情感、生命の深い泉の奥底から沸き上がってくる躍動のことをいうのである。YOUTHは、勇気が臆病を、冒険を求める心意気が安逸に流れる人の心をしっかりと支配している状態をいうのである』

 この『YOUTH』という詩は『青春』という訳を与えられていますが、『若さとは何か』について語っています。

 
若さとは身体の外見ではなく、『マインドの状態だ』と言っています。『マインド』とは『考え・感じ取り・意志するところ』ですから『頭脳』と言ってよいでしょう。

 第2パラグラフに進みましょう。

 『人が年老いるのは長い歳月を生きて来たためではない。人が年老いるのは理想を投げ捨てるその時である。時は身体に皺を刻む。新しいことを知ろうとする意欲を失うと心に皺が刻まれる。憂慮と猜疑と自己不信と恐怖と絶望−−これらは長い間に人に頭を垂れさせ、伸びようとする魂を葬り去る』

 この部分は『人が老いるのは歳月を経たからではなく、理想を失うからだ』と述べています。

 次は第3パラグラフです。

 『人その時の年齢が何歳であろうとも、人の心の中には素晴らしいことを愛する気持ちがあり、これでもかとばかりに起こってくる出来事とその次に起こってくる出来事に対する飽くことを知らない子供のような強い欲求があり、人生の歓びと感慨がある。人は誠意ある限り若く、猜疑心とともに年老いる。自信ある限り若く、恐怖心とともに年老いる。希望ある限り若く、絶望とともに年老いる。人の心の真ん中に、ものごとを感じ、記憶する部屋がある。この部屋が、美しいものごと、希望と歓びと勇気が送り出してくる信号を感じとる限り人は若い』

 この部分は、『齢は若くてもこういう人は老人であり、齢は取っていてもこういう人はYOUTHである』と述べています。上野原市に開かれようとしている未知の情報化社会を『子供のような強い好奇心と欲求を持って、猜疑心ではなく誠意を持って、恐怖心ではなく自信をもって、絶望ではなく希望を持って』わがものにして頂きたいと思うのです。

 次は最後の第4パラグラフです。

 『信号を感じとる回路がすべて瓦壊し、人の心が悲観論の雪と氷のような冷笑に覆いつくされるまさにその時にのみ、人は年老いるのである』

サミュエル・ウルマン

 『美しいものごと、希望と歓びと勇気が送り出してくる信号を感じとる感覚が失われて、悲観論の虜になり、人間に善意を見出せないシニシズムの状態に陥った時に人は年老いる』とこの詩は結んでいます。

(1994-12-23西東京科学大学の学生のために谷口訳)

 原文にチャレンジしませんか  

 ウルマンはアラバマ州のビジネスマンで、女性の社会的地位の向上、人種差別問題などに力を注いだ市民社会のリーダーで、1840年生まれ。70歳の時にこの詩を作ったとされています。先に示した原文は花文字で書かれていて読み辛いですから、普通のアルファベットに書き直した全文を以下に掲げます

 中学生には難しいでしょうが、高校生ならば読めるでしょう。がんばって声を出して読んで見て下さい。『小諸なる古城のほとり、雲白く遊子悲しむ・・・・・』というような韻を含んだ美しい響きをこの詩は持っています。ぜひ試して下さい。

 YOUTHの原文  

Youth is not entirely a time of life 〜 it is a state of mind.  It is not wholly a matter of ripe cheeks, red lips, or supple knees.  It is a temper of the will, a quality of the imagination, a vigor of the emotions, a freshness of the deep springs of life.  It means a temperamental predominance of courage over timidity, of an appetite for adventure over love of ease.

Nobody grows old by merely living a number of years.  People grow old only by deserting their ideals.

Years may wrinkle the skin, but to give up interests wrinkles the soul.  Worry, doubt, self-distrust, fear and despair 〜 these are the long, long years that bow the head and turn the growing spirit back to dust.

Whatever your years, there is in every being’s heart the love of wonder, the undaunted challenge of events, the unfailing child-like appetite for what next, and the joy and the game of life.  You are as young as your faith, as old as your doubt; as young as your self-confidence, as old as your fear; as young as your hope, as old as your despair.  In the central place of every heart there is a recording chamber; so long as it receives massages of beauty, hope, cheer and courage, so long are you young.


When the wires are all down and your heart is covered with the snows of pessimism and the ice of cynicism, then, and then only are you grown old. 
Samuel Ullman      

 『ウエノハラ光社会』をどのように受け止めるのか  

 私は大学に勤務していた15年間に新入生諸君や私の研究室に新しく参加することになった学生諸君にこの詩を読んでもらってきましたが、今、この原稿を書いていて、上野原市の光ファイバー計画に執拗に反対する人達のビラは『シニシズム=老いの精神に満ち溢れている』という思いを禁じ得ません。この詩の最後のパラグラフは『未知との遭遇を前にして、悲観論の虜になり、人間に善意を見出せずに反対ばかりする心理状態(シニシズム)に陥った時に人は年老いる』と述べているからです。

 『上野原市の光ファイバー計画は上野原を住みよくするための満塁ホームランである』という私の考えはこのシリーズの第15講義『情報プロジェクト』と『交通プロジェクト』の棲み分けの中で詳しく述べています。

 YOUTHとの係わりで言えば私は、『騙されてはいけない。しかし、プロジェクトに懸念があっても目的が正しく設定されているプロジェクトは問題が発生してもプロジェクトが推進される過程で解決の筋道が与えられ、解決に向かう』という『注意深い楽観論』の立場で対応しています。私はシニシズムには組みしません。

 上野原光ファイバープロジェクトは、中山間地の家庭から先に光ファイバー回線を引き、『上野原市のすべての家庭を会話が出来る近さに繋ぎ合わせる』役割を果たしますので『目的が正しいが故に起こりえる問題を乗り越えることが出来るプロジェクトである』と私は考えています。

 『ユビキタス ウエノハラ』を受容するか拒絶するかの判断基準  

 上野原市では光ファイバープロジェクトが完成した後に『ユビキタス社会』が開かれます。『UBIQUITOUS』という言葉について私は第18講でその意味を『神様がいたるところに存在する』という意味のラテン語に託してアメリカ ゼロックス 社の故マーク ワイザー 博士が『空気のようにいつでもどこにでもコンピューターが存在する社会』と定義したことを紹介しています。

 『空気のようにいつでもどこにでもコンピューターが存在する社会』とは一体どんな社会なのか。そんな社会は意味があるのかなど、私たちは未知との遭遇を前にしてはっきりした考え方を持たなければなりません。

 この点について、私は『ユビキタス社会』は『電信』・『電話』・『鉄道』・『自動車』・『ラジオ』・『テレビ』・『スーパー』・『コンビニ』などなど、『技術進歩によって生まれてきた新しいものごとや考え方と変るところはない』と思っています。私たちは世の中に生まれてきた新しいものごとを、あるものは拒否し、あるものは不可欠の要素として生活に受け入れて来ています。

 『拒否するものごとと生活に受け入れるものごとの分かれ目』は何なのか。上野原市の光ファイバー計画が生み出す『ユビキタス社会』はどのような社会なのか。それはやがて消え去って行くのか、生活に定着するのか。私たちは何を判断基準として『ユビキタス社会』を受け入れるのか、あるいは、これを拒絶するのかについて、みなさま方と一緒に考えて行きたいと思います。上野原市をよくするのも悪くするのもすべて私たち1人1人の判断に懸かっているからであります。


2007−10−14   谷口ウエノハラ研究室  谷口 文朗TN

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